前営業日トピックス
東京市場では、海外市場の流れを受けて、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。トランプ米大統領が、ロシアと中国の通貨政策を批判したことで関係悪化が不安視され、円買いが優勢となった。また、日経平均株価がマイナス圏まで下落したことも影響した。ただ、日米首脳会談を控えて様子見ムードも強く、下値は限定的となった。その後は値を戻したが、ドルは主要通貨に対して上値の重い動きとなり、ポンドやユーロをはじめとしたクロス円は堅調な動きとなった。
海外市場では、好調な米企業決算や経済データに加え、金融当局者らの発言を受け、リスク選好が強まった。しかし、ロシアに対する追加制裁の懸念から上値は抑えられ、軟調な動きとなった。ただ、堅調な株価の動きなどもあり、底固い動きとなった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)トランプ米大統領がツイッターでロシアと中国の通貨政策を批判したことから、対立が深刻化するとの懸念が引き続き材料視され、円買いが先行した。ただ、日米首脳会談を前に、影響を見極めたいとの思惑も広がっており、やや底固い動きとなった。
(2)値を戻したものの、ドル円・クロス円は上値の重い動きが続いた。その後、欧州勢がドル売りで参入したことから、ドルは主要通貨に対して軟調な動きとなった。特に、ユーロ/ドルは1.24ドル台を回復した。一方、5月の利上げ期待や大型買収の思惑などを背景に、ポンドは対ドルで一時2014年6月以来の高値圏となり、ポンド/円も堅調な動きとなった。
(3)ムニューシン財務長官は、通貨切り下げゲームに言及したトランプ大統領のツイートに関して、ドルの押し下げを意図したものではないと発言したことから、ドルは堅調な動きとなった。また、好調な米企業決算や経済データなどを受けて、リスク選好が強まり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。だだ、ユーロ圏やドイツの景況感指数が低調だったことが影響し、ユーロは欧州市場から主要通貨に対して軟調な動きとなった。
(4)クドロー米国家経済会議(NEC)委員長が、トランプ政権がロシアへの追加制裁を検討していると述べたことから、ロシアに対する追加制裁への懸念から、ドルの上値は抑えられた。ただ、米主要株価が堅調な動きが続いたことなしもあり、ドル円・クロス円は底固い動きが続いた。
本日のトピックス
米国市場では、主要な経済指標の発表がないものの、前日に続き日米首脳会談が行われることや米金融当局者の講演も予定されており、発言の内容などに注目したい。また、米地区連銀の経済報告(ベージュブック)も予定されており、次回5月のFOMCの資料となることから、各地区の経済動向にも注目したい。さらにトランプ米大統領など要人発言に相場が左右される動きが続いていることから、特に注意したい。
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート 日足
ドル/円は、一目均衡表の雲の中に入り込む展開となったものの、その後は雲下限ライン近辺で底固い動きが続いているが、上値も重くなっている。一方、オシレーターのMACDでは、両線がゼロポイントを上抜けたものの、両線の乖離幅が縮小する形となっている。これらのことから、下振れには警戒したい。サポートが続いている雲下限ラインを完全に下抜ける場合や、MACDで先行するラインが下向きに転換、両線がクロスする形となるようなら、一旦調整となる可能性も想定しておきたい。
上値のポイント
(1)107.20(転換線)(2)107.78(直近高値)(3)107.90(重要レジスタンス)
下値のポイント
(1)106.89(本日の雲下限)(2)106.62(重要サポート)(3)106.20(50%戻しのポイント)