東京市場では、先週末の米雇用統計の結果や、米国と中国の貿易摩擦に対する懸念が材料視され、序盤から上値の重い動きとなった。また、日経平均株価が下落して始まったことも影響した。ただ、その後は日経平均株価が上昇に転じたことや、欧州主要株価が上昇して始まったことも影響し、堅調な動きとなった。ただ、ドルは対ユーロで下落したことから、上値の重い動きとなる場面もあった。そして、トランプ大統領の顧問弁護士の事務所を捜索したとの報道を受けて、ドルは主要通貨に対して下落となった。また、米主要株価が上げ幅を縮小する動きが終盤まで続いたことから、クロス円も軟調となった。

※出所：FX総合分析チャート10分足

（1）米国と中国の貿易摩擦が激化するとの懸念や、先週末の米雇用統計結果が改めて材料視され、序盤は軟調な動きとなった。また、日経平均株価が軟調な動きとなったことも影響し、上値の重い動きとなった。

（2）米長期債利回りが上昇したことや、日経平均株価が午後に一段の上昇となったことに加え、欧州主要株価が堅調な展開で始まったことも影響し、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。

（3）「ユーロ圏の政策担当者は域内経済の力強い成長を引き続き見込む」とドラギECB総裁が発言したことを受けて、ユーロは対ドルなどに対して上昇となった。これを受けて、ドル/円もやや軟調な動きとなった。ただ、米中貿易摩擦に対する懸念が後退したとの見方から、ドルは底固い動きとなった。

（4）米FBIがトランプ大統領の顧問弁護士の事務所を捜索したとの報道が嫌気されて、ドルが軟調な動きとなったことや、それまで上昇していた米主要株価が上げ幅を縮小したことが影響し、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。ただ、ユーロは対ドルで底固い動きが続いた。

引き続き、マーケットでは米国の貿易摩擦（米中貿易、NAFTA）に関する報道に注目が集まっており、関連の報道や要人発言には敏感に反応する可能性も考えられることから、注意したい。その中で、中国の習近平国家主席が、アジアフォーラムで講演を行う予定となっており、貿易戦争に関して市場を落ち着かせる内容になるとの見方も出ており、発言の内容に注目が集まっている。
米国市場では、物価関連の経済指標が予定されており、大きな反応は期待できないものの、結果には注目したい。

時間	国・地域	経済指標・イベント	予想	前回
21:30	米国	3月生産者物価指数（前月比） 生産者物価指数（PPI＝Producer Price Index）は、米国内の販売業者の販売価格を調査し、算出した物価指数。特に、振れ幅の大きい食品とエネルギーを除いたコア指数が重要視されており、消費者物価指数（CPI）と同様にインフレ圧力を測る指標として注目されている。	0.1%	0.2%
		前回は、市場予想を上回る結果となったが、前月からは低い伸びとなった。財や食料品、エネルギーが前回から低下したことが影響した。今回は、前回から低下が予想されており、物価の上昇を圧迫する結果となるようなら、ドル相場にも多少影響するだろう。また、コア指数や前年比の結果にも注目したい。

※出所：FX総合分析チャート　日足

ポンド/円は、一目均衡表の雲上限近辺で上値の重い動きが続いており、雲上限を完全に上抜けるのかどうか注目したい。オシレーターのMACDでは、両線がゼロ・ポイントを上抜けて上昇継続のシグナルとなり、一段の上昇となっている。そして、一目均衡表では、基準線・転換線がクロスしたことや、遅行スパンが価格帯を上抜けており、雲上限を完全に上抜ける場合には三役好転のシグナルとなることから注目されており、雲を上抜けて上昇トレンドの継続も期待されている。

上値のポイント
（1）150.79（雲上限ライン）（2）151.48（直近高値）（3）152.00（レジスタンス）

下値のポイント
（1）150.49（前日安値）（2）149.89（重要サポート）（3）149.14（雲下限ライン）