前営業日トピックス
東京市場では、日経平均株価が大幅下落となったことが影響し、序盤から上値の重い動きとなった。仲値公示近辺では、やや売り買いが交錯した。その後は、円買いが続いた流れが一服し、円を売る動きが優勢となり、ドル円・クロス円は底固い動きが続いた。
米国市場では、主要な経済指標の結果が良好だったことや、FRB議長の議会証言を受けて、改めて利上げペースの加速が意識されたことから、ドルは堅調な動きとなった。しかし、その後、トランプ大統領の関税に関する発言を受けて株価が大きく下落となり、リスク回避の動きが強まったことから、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)日経平均株価の大幅下落が影響し、序盤のドル円・クロス円はやや軟調な動きとなった。その後は、月初めの実需のドル買いなどもあり、仲値公示近辺まで上昇したものの、仲値通過後は再び上値の重い動きとなった。
(2)円買いが一服となり、ポジション調整の円売り・ドル買いなども入り、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。しかし、日経平均株価や、欧州主要株価が下落したことが影響し、上値の重い動きが続いた。
(3)米失業保険申請件数が48年ぶりの低水準となったことや、米ISM製造業景況指数が13年9ヵ月ぶり高水準にそれぞれ改善したことに加え、パウエルFRB議長が上院銀行委員会の証言で、利上げペースを速める可能性を示唆したことから、ドルは堅調な動きとなった。
(4)トランプ米大統領が鉄鋼とアルミニウムの輸入に関税を課す方針を明らかにしたことを受けて、貿易摩擦の激化による米経済への悪影響が懸念され、主要株価が大きく下落となった。そして、投資家がリスク回避姿勢を強め、相対的に安全な通貨とされる円を買う動きが優勢となった。
本日のトピックス
米国の利上げの期待の高まりがドルの押し上げ要因となっていたが、3月の利上げがほぼ織り込まれていることや、年内3回の利上げの可能性もやや新鮮味に欠けることから、ドルは新規材料待ちだろう。昨日も、株価の動きに大きく左右された感じであり、引き続き株価に注目したい。昨晩、トランプ米大統領が、鉄鋼25%、アルミ10%などの輸入関税の発動方針を表明したことが株価下落の引き金となっており、日本市場まで影響を受けている。ただ、あくまで大統領の方針であり、詳細は来週までにまとめる予定とされている。トランプ米大統領はビジネスマンであると考えれば、交渉を見据えた発言とも考えられることから、今後の展開や関連する発言に注目したい。
一方、英国のEU離脱に関しては、本日に予定されるメイ首相の演説を待ちだが、昨日、英首相がEU離脱の草案は受け入れ不能と強調したことから、内容に注目したい。交渉の先行きに対する不安が高まるようなら、ポンド売りの材料とされる可能性も考えられる。
3/2の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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0:00 | 米国 |
2月ミシガン大学消費者信頼感指数
ミシガン大消費者信頼感指数は、ミシガン大学が消費者にアンケート調査を行い、現況指数(現在)、期待指数(将来)など消費者マインドを指数化した経済指標である。速報は300人、確報は500人を対象に調査を実施し、1964年の指数を100として算出する。コンファレンス・ボード(CB)が発表する消費者信頼感指数と共に消費者マインドを見る上で重要な経済指標である。
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99.5 | 99.9 |
前回は、市場予想を上回る結果となり、現況指数、期待指数いずれも前月から上昇した。今回は、やや低下が予想されている。1月は、株価が最高値を付けるなど、上昇が続いたことが消費者のマインドを高めたが、2月は株価が高値から大きく下落したことから、予想以上に低下している可能性を指摘する向きもあり、結果に注目したい。 |