前営業日トピックス
東京市場では、中国や香港市場が休場となったことから、序盤からやや積極的な売買が手控えられた。ただ、日経平均株価が前週末比400円以上の上昇となったことが好感され、円売りが優勢となった。
海外市場では、欧州主要株価が軟調な動きとなったことに反応する場面もあったが、米国市場がプレジデンツ・デーで主要市場が休場となったことから新規材料に乏しく、その後は狭いレンジ内の動きが続いた。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)序盤に日本の貿易収支が発表され、予想を下回る赤字額となったが、反応は限定的だった。そして、日経平均株価が上昇して始まったこともあり、若干円が売られたが、中国、香港市場が休場となり、市場参加者も少ないことから、値動きは限定的となった。
(2)日経平均株価が、午後に入り上げ幅を拡大する動きとなり、前週末比400円以上の上昇となったこと受けて、投資家のリスク回避姿勢が後退し、安全資産とされる円が売られた。ただ、値動きはそれほど大きくならなかった。
(3)欧州株式市場が軟調な動きとなったことが影響し、ドル円・クロス円はやや軟調な動きとなる場面もあったが、米国はプレジデンツ・デーの祝日で主要市場が休場となったことから、新規材料に乏しく、値動きは限定的となった。その後は、市場参加者も少なく、ドルは狭いレンジ内の動きが続いた。
本日のトピックス
本日は、香港市場が休場明けとなるが、中国市場は21日まで休場となることから、引き続き限定的な動きが考えられる。一方、海外市場でも米国市場が休場明けとなるが、主要な経済指標の発表がないことから、株式市場や債券市場の動きに注目したい。また、本日から米財務省の国債入札が予定(19日は2年債、20日は5年債、21日は7年債)されている。指標発表などの材料に乏しい中、借り入れコストが上昇するのかどうかを見極める要素となることから、結果に注目したい。
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート 日足
豪ドル/円は、83.32の安値を付けた後、底固い動きが続いている。オシレーターのMACDでは、両線の乖離幅の縮小が続いていることや、先行するラインが若干上向きとなっており、底打ちへの期待感が広がる形状となっている。ここからMACDの両線がクロスとなれば、上昇への期待もさらに高まることから注目したい。
上値のポイントは
(1)84.89(レジスタンス) (2)85.59(重要レジスタンス) (3)86.19(一目均衡表基準線)
下値のポイントは
(1)83.87(サポート) (2)83.32(直近安値) (3)82.87(83.32下抜けた場合の下値目標の計算値)
また、方向性を示すとされる一目均衡表の基準線は、83.32を下回らなければ、27日までは現行の86.19での横ばいが続く(28日には85.91に低下する)ことから、それまで底固めの完了、または基準線上抜けの準備(基準線近辺まで上昇)が整うか注目したい。
気まぐれ投資コラム
米国のリグ稼働数が注目され始める
石油や天然ガスの採取のための採掘装置を『リグ』と言います。米国のリグの稼働数が増加すると、米国における産油量の増加に繋がります。
リーマンショック後、2009年にNY原油価格(WTI原油)は37ドル台から上昇が続き、2011年には115ドル台まで上昇しました。原油価格の上昇に伴い、シェールオイルの生産技術も進み、生産量も多くなりました。シェールオイルの生産コストは50ドルとも言われており、50ドルを上回るとリグの稼働数も急速に増加しました。
しかし、2014年11月のOPECの減産見送りをきっかけに原油価格の急落が始まると、リグの稼働数も遅れて減少(産油事業の利益が減少し始める)に転じました。2014年10月のピーク時には米国内のリグ稼働数は1600基を上回っていましたが、2016年5月には316基まで減少し、減少率は約80%となりました。原油価格は、リグの稼働数の減少に先んじて下落が始まり、105ドル台から28ドル台まで下落しました。
その後は、再び原油価格の上昇が続いており、米国のリグの稼働数も先週末現在、798基まで増加しています。米国の産油量の増加は、OPEC(石油輸出国機構)やロシアなど主要産油国による減産努力に水を差す可能性もあり、米国のリグの稼働数の推移にも注目が集まり始めています。
※出所:米ベーカー・ヒューズ社のデータを基にSBILMが作成