前営業日トピックス
東京市場では、前日の米国市場で株価が大幅上昇したことが好感され、序盤は円売りとなる場面もあった。しかし、その後は上値の重い動きとなり、午後には大きく反発した株価が上げ幅を縮小したことから、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。
海外市場では、欧州主要株価が堅調となったことや、米国債利回りの上昇も材料視され、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。
米国市場では、序盤下落した株価がその後堅調な動きとなったことや、米上院指導部が超党派での予算成立を発表したことで、政府機関の閉鎖が回避される見通しが広がったこともドルの押し上げ要因となった。しかし、午後には、米主要株価がマイナス圏まで下落したことなどが影響し、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)前日の海外市場で、米主要株価が大幅反発したことを受けてドル買い・円売りが先行した。しかし、米暫定予算案の上院での採決を巡る不透明感などが圧迫要因となり、上値の重い動きが続いた。また、日経平均株価が大幅反発して始まったものの、株価の反発は想定済みであるとの見方から、反応はやや限定的となった。
(2)仲値公示近辺では、底固い動きが見られたものの、一時743円高まで上昇していた日経平均株価が、午後に入り上げ幅を縮小したことや、軟調な米株価先物の動きを受けて円買いが優勢となり、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。
(3)米10年債利回りが2.75%台から2.85%台まで上昇したことを受けて、ドル買い・円売りが進み、ドル/円は堅調な動きとなった。また、米上院指導部が、2年間の予算で超党派の合意が成立したと発表したことで、政府機関の閉鎖が回避される見通しになったこともドルの後押し要因となった。一方、ドイツのメルケル首相率いるキリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)と社会民主党(SPD)が連立協定で合意に達したものの、マーケットではほぼ織り込み済みであり、ユーロの支援材料にはならず、ユーロは主要通貨に対してやや軟調な動きとなった。
(4)上昇していた米国の主要株価が午後にマイナス圏まで下落したことが影響し、ドル円・クロス円は終盤にかけて上値の重い動きが続いた。
本日のトピックス
世界的に大幅下落となった反動で株価が反発したものの、依然として不透明感が残っているとの見方も根強く、昨日の米国市場でも主要株価が結局反落となったことから、本日の日本やアジアの主要株価の動きに注目したい。また、前日大幅上昇となった欧州主要株価の動きにも注意したい。そして、英国では、英中銀の金融政策発表が予定されていることや、米国では昨日に続き複数の米当局者の発言が予定されていることから、結果や発言内容に注目したい。
2/8の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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21:00 | 英国 |
英中銀MPC 政策金利発表
金融政策委員会(MPC 〜Monetary Policy Committee)は、イングランド銀行に設置されている委員会であり、総裁、副総裁(2名)、チーフ・エコノミスト、エグゼクティブ・ディレクター、4名の外部委員からなる9名の委員で構成されている。毎月上旬に開催され、政策は木曜日の会合後に発表を行う。
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0.50% | 0.50% |
11月に約10年ぶりの利上げに踏み切ったが、前回(12月)は9対0で据え置きが決定された。今回、市場の予想では、引き続き全会一致での据え置きが予想されている。ただ、一部では利上げを支持するメンバーがいるとの見方も出ていることから、結果に注目したい。 | ||||
22:30 | 米国 |
新規失業保険申請件数
新規失業保険申請件数は、労働省が失業保険を申請した人(失業者)の数を毎週発表する経済指標。毎週(木曜日)発表されるため、雇用情勢の速報性に優れており、雇用統計の先行指標として注目されている。ただ、米国の祝祭日や天候などの影響を受けやすいという点もある。
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23.2万人 | 23.0万人 |
前回は、市場予想を下回る結果となった。今回は、前回から若干の増加が予想されているが、昨年の平均値である24.5、今年の平均の23.5を下回ると予想されており、引き続き良好な水準が続く。ただ、マーケットの反応はやや限定的だろう。 |
気まぐれ投資コラム
英国の金融政策発表に注目
本日は、英中銀のMPC(金融政策委員会)による金融政策発表が予定されています。市場の予想では、全会一致(9対0)で政策金利が据え置かれると予想されています。そして、金利先物市場では、現時点で今回MPCでの利上げ予想確率が3.3%、次回3月が6.5%、5月が47%で推移しています。そのため、予想通りの結果ならマーケットへの反応は限定的と考えられます。
ただ、一部では1人〜2人のメンバーが利上げを支持する可能性もあるとの見方も出ています。2017年では、8会合中2会合で全会一致だったものの、6会合で意見が割れるなど、比較的意見が割れやすい傾向にあります。
利上げを支持するメンバーが現れる場合には、5月の利上げ期待が高まり、ポンド買いを後押しする可能性も考えられます。また、議事録の内容や同時に公表される四半期インフレ報告がタカ派的な内容なら、ポンドの支援材料になる可能性も考えられます。そして、カーニー総裁がハモンド財務相に送る書簡(消費者物価指数の上昇率が昨年11月に3%を超えた理由を説明)の内容や総裁の会見での発言にも注目(ハト派的かタカ派的か)です。
※出所:データを基にSBILMが作成