前営業日トピックス
東京市場では、日経平均株価が堅調な動きとなったことや、本邦実需のドル買い・円売りも加わり、ドル円・クロス円は序盤から堅調な動きが続いた。午後に入っても株価の上昇が続いたものの、ドル円・クロス円は上昇一服感からやや上値の重い動きが続いた。その後、ドイツ連立協議の不調が報道されたことから、ドイツ政権の先行き不透明感が強まり、ユーロが主要通貨に対して下落し、リスク回避の動きからドル/円やその他のクロス円も軟調な動きとなった。
休場明けの米国市場では、序盤に発表された米経済指標が予想を下回る結果となったものの、反応は限定的となり、狭いレンジ内の動きが続いた。ただ、終盤には大きく上昇していた米主要株価が軒並みマイナス圏まで下落したことから、ドル円・クロス円も下落した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)前日の海外市場で、ドル/円が一時110.33円付近まで下落し、約4ヵ月ぶりの安値をつけたことから、やや一服感も出ており、序盤から堅調な動きとなった。そして、日経平均株価が堅調な動きで始まったことも加わり、ドル円・クロス円も堅調な動きが続いた。また、仲値公示にかけては、本邦輸入企業の円売り・ドル買いも入ったことも押し上げ要因となった。
(2)ドル/円は、111円台手前近辺で上値の重い動きとなったものの、日経平均株価が終盤まで堅調な動きが続いたことから、クロス円と共に底固い動きが続いた。その後、ドイツ与党との連立協議を合意して協議入りしたドイツの第2党の社会民主党(SPD)が、メルケル首相との連立協議を拒否したとの報道を受けて、ユーロ売りが強まり、リスク回避の動きなどからドル/円やユーロ以外のクロス円も軟調な動きとなった。
(3)米国市場では、NY連銀製造業景気指数が予想を下回る結果となったことに反応したものの、影響は一時的となった。また、株価や米国債利回りが上昇したことを受けて、クロス円は影響を受けて堅調な動きとなったものの、ドル/円はレンジ内の動きが続いた。終盤には、一時前日比で280ドル以上上昇していたダウ平均株価がマイナス圏まで下落したこともあり、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。
本日のトピックス
東京市場では、前日に日経平均株価が再び24000円台手前まで上昇しており、1991年11月以来の24000円台乗せとなるのか注目される。ドル/円は、このところ、米長期金利や内外の株価との相関が薄れており、一部では日銀による大規模金融緩和の縮小観測が意識されているとの見方も出ている。そのため、上値の重い動きが続いており、前日の海外市場同様に、株価が上昇した場合でもドル/円の上値は限定的と考えられる。ただ、株価の下落や米国債利回りの低下には比較的反応することから注意したい。
米国市場では、主要な経済指標の発表が予定されており、結果が注目される。また、カナダの政策金利発表が予定されており、0.25%の利上げがコンセンサスとなっている。そのため、結果を受けて大きな動きとなる可能性もあることから、注意したい。
1/17の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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0:00 | 米国 |
1月NAHB住宅市場指数
NAHB住宅市場指数は、全米住宅建築業者協会(NAHB)が加盟業者を対象にした一戸建て住宅の販売状況調査を基にした指数。50が判断の基準となり、50を下回ると住宅建設業者の多くが現況を「悪い」とみていることを示すことから、住宅市場の先行指標となる。
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72 | 74 |
前回は、市場予想を上回る結果となり、1999年7月以来の高水準となった。また、販売の現況指数も1999年以来の高水準となり、地域別でも中西部が2004年以来の最高となった。今回は、反動で前回からやや低下が予想されているものの、70以上なら好調継続と判断されるだろう。特に、住宅在庫の供給が逼迫しているとの見方もあり、住宅市場では引き続き堅調な結果が続く可能性が考えられる。 | ||||
翌4:00 | 米国 |
1月米地区連銀経済報告[ベージュブック] |
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前回は、米経済、雇用、賃金、見通しに比較的良好な見方が示された。また、物価上昇圧力は10月の報告以降に強まったとされた。この報告を基に12月の利上げが決定されており、引き続き良好な報告ならば、3月のFOMCでの利上げ期待も高まるだろう。 |