前営業日トピックス
東京市場では、米物価統計などの発表を控えて様子見ムードが強まり、序盤からレンジ内の動きが続いた。朝方、日本の貿易収支、経常収支が発表されたが、反応は限定的だった。また、日経平均株価が軟調となったこともあり、上値の重い動きが続いた。
欧州市場では、ドイツの連立協議が合意したとの報道を受けて、ユーロは主要通貨に対して上昇したが、ドルは米国債利回りの低下などから軟調な動きとなり、対円では111円台を割り込む場面もあった。
米国市場では、米経済指標が比較的良好な結果となったことを受けて、早期の追加利上げも意識されてドル買いが優勢となった。しかし、上昇一服後は下落に転じ、ドル/円は再び111円台割れまで下落する場面もあった。一方、クロス円は堅調な株価も影響し、底固い動きが続いた。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)日経平均株価がもみ合いの動きとなったことや、米国の主要な経済指標の発表を控えて様子見ムードが強まりつつあり、序盤からレンジ内の動きが続いた。また、仲値公示近辺では、実需筋の売り買いが交錯したことも影響した。
(2)欧州主要株価が堅調な展開で始まったこともあり、ドル円・クロス円も堅調な動きとなった。ただ、その後米国債利回りが下落に転じたこともあり、ドルは主要通貨に対して軟調な動きとなった。一方、ドイツの連立協議が合意したとの報道を受けてユーロ買いが優勢となり、対ドルでは2014年12月以来の高値を付けた。
(3)米消費者物価指数でコア指数が市場予想を上回り、昨年1月以来の伸びとなったことや、米小売売上高が堅調に増加したことが好感され、ドルは堅調な動きとなった。また、指標結果を受けて、FRBが追加利上げを継続するとの見方から、政策金利の動向に敏感な2年債利回りが一時2.02%まで上昇し、2008年9月以来、約9年4ヵ月ぶりに2%を超えたこともドル買い・円売り要因となった。
(4)上昇一服後は、米国債利回りが下落に転じたことや、引き続き円買いの思惑が強いことから、ドル/円は再び111円台を割り込む場面もあった。一方、ユーロやポンドなどクロス円は、堅調な株価動向や対ドルで軒並み上昇したことから、対円では底固い動きが続いた。
本日のトピックス
週明けの外国為替市場では、前週末の流れを引き継ぎ、ドルは上値の重い動きが考えられる。ただ、日銀の国債買い入れオペ実施が予定されており、注目が集まっている。先週は、買い入れ額の減額が通告されたことで、量的緩和の縮小が意識され円買いとなった経緯があり、注意したい。特に、海外勢を中心に、投機筋や短期筋による動きも警戒される。また、先週からマーケットでは、円買いへの意識が高まっていると考えられる。そのため、円買い材料には敏感に反応する可能性もあり、株価下落など通常より過敏に反応する可能性も考えられることから、注意しておきたい。なお、米国市場はキング牧師の記念日で主要市場が休場となる。