前営業日トピックス
東京市場では、海外市場の流れを引き継ぎ、序盤のドル円・クロス円は堅調な動きとなった。ただ、113円近辺では上値の重い動きとなった。また、上昇した日経平均株価が下落に転じたことも影響した。午後には再び日経平均株価が堅調となったことや、米国債利回りの上昇が続いたことから、ドル円・クロス円は堅調な動きが続いた。
米国市場では、税制改革法案の米下院での再採決で可決が見込まれており、税制改革法案の成立も意識され、ドルは底固い動きとなった。また、米国債利回りの上昇で、日米の金利差拡大を意識したドル買い・円売りも強まり、ドル円・クロス円は堅調な動きが続いた。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)米税制改革法案が下院を通過したとの報道が改めて材料視され、序盤から堅調な動きとなった。ただ、113円台では売り圧力も強く、113円台に定着できずに反落した。また、本邦輸入企業の円買い・ドル売りなども影響し、上値の重い動きとなった。そして、下院が一部修正後に再採決を実施すると発表したこともやや影響した。
(2)一時マイナス圏まで下落していた日経平均株価が、午後に入り堅調な動きとなったことや、米上院で税制改革法案を51対48の賛成多数で可決したとの報道を受けて、ドルは主要通貨に対して上昇となった。
(3)米税制改革法案が成立する見通しが強まったことで、将来の物価上昇を織り込んで米長期金利が3月以来の高水準まで上昇となったことから、ドル買い・円売りが優勢となった。
(4)米中古住宅販売件数は、市場予想を上回り、2006年12月以来、約11年ぶり高水準となったが、マーケットの反応は限定的となった。ただ、その後は、米国債利回りの上昇を受けて、日米金利差拡大や、米税制改革法案が大統領の署名を持って成立する可能性が高まったことを好感して底固い動きとなった。
本日のトピックス
東京市場では、日銀金融政策決定会合の結果発表を控えて序盤から様子見ムードが強まる可能性が考えられる。マーケットでは日銀が出口戦略に向けたシグナルを出すとは見ておらず、結果公表を受けた反応は限定的だろう。ただ、このところの当局者の発言を見れば、出口戦略を模索しているようにも見えることから、黒田総裁の会見での発言内容には注目したい。
欧州では、スペイン・カタルーニャ州議会選挙が予定されており、選挙の結果が判明するまでは、ユーロは上値の重い動きが続く可能性も考えられる。今回の州議会選では、定数135議席で争われ、独立反対派と独立支持派の勢力がほぼ拮抗していると報じられていることから、仮に独立支持派が勝利することになれば波乱となる可能性もあるだろう。
米国では、第3四半期GDP、個人消費など重要な経済指標の発表が予定されており、ここまで米経済の好調さが窺える結果が続いていることから、堅調な結果となるようなら、引き続きドルは底固い動きとなる可能性も考えられる。
12/21の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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22:30 | 米国 |
第3四半期GDP(前期比年率)
GDPは、一定期間内に米国内で生み出された財とサービスの付加価値の額を合計したもので、国内の経済規模を測るための指標の一つ。GDPの伸び率は、経済成長率を表す指標として重要視されている。そして、個人消費はGDPのおよそ7割を占めることから、構成指数の中では特に重要視されている。
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3.3% | 3.3% |
前回(改定値)は、速報値から上方修正され、3年ぶりの高い伸びとなった。GDPの約7割を占める個人消費が速報値から下方修正されたものの、設備投資や住宅投資、政府支出が上方修正されたことが反映した。今回は、改定値と変わらないと予想されているが、現状では3%が一つの目安となっていることから、3%を上回れば米景気に対する期待感が高まる可能性も考えられる。 |