前営業日トピックス
東京市場では、海外市場の流れを引き継ぎ、北朝鮮情勢の緊迫化や、ロシアゲート問題による米政権運営の先行き不透明感を背景に、序盤から上値の重い動きとなった。その後、下落して始まった日経平均株価が下げ幅を縮小したことや、米国債利回りが上昇し、日米の金利差拡大が意識されたこと受けて、円売りが優勢となった。しかし、欧州主要株価が下落したことや、英国のEU離脱交渉が難航していることなどが材料視され、ドル円・クロス円は再び上値の重い動きが続いた。
米国市場では、米大統領選を巡るロシアの介入疑惑などを背景にしたリスク回避の動きに加え、米経済指標が冴えない結果となったことを受けて、ドルは上値の重い動きが続いた。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)海外市場でドル円・クロス円が下落した流れが一服し、序盤はやや値を戻す動きが先行した。しかし、日経平均株価が下落して始まったことや、英国のEU離脱交渉が難航していること、米国のロシアゲート問題などの懸念もあり、上値の重い動きが続いた。また、五・十日だったが、実需の積極的なドル買いが見られなかったことも影響した。
(2)日経平均株価が下げ幅を縮小する動きとなったことや、米国債利回り上昇を受けて、ドル円・クロス円は比較的堅調な動きとなった。一方、豪中銀は予想通り政策金利を1.50%に据え置いた。そして、声明文がハト派的になるとの懸念があったものの、前回と大きな変化がなかったことで安心感が広がり、豪ドルが買われた。豪ドル/円は、11/15以来3週間ぶりの高値を付けた。
(3)米国債利回りが低下したことや、欧州主要株価が軟調な動きとなったことから、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。また、英国のEU離脱交渉を巡り、アイルランド国境問題で合意が見送られたことが改めて材料視され、ポンドが主要通貨に対して下落したことも円買いを加速させた。
(4)米国債利回りの上昇を受けて、ドルは堅調な動きとなったものの、米大統領選を巡るロシアの介入疑惑などを背景に投資家のリスク回避の動きが見られ、その後は上値の重い動きが続いた。一方、英国のEU離脱を巡る交渉の先行き不透明感が残る中、今後の行方を見極めたいとの様子見ムードが広がっており、また前日から続いた下落に対する反動などから、一旦ポンドを買い戻す動きが優勢となり、ポンドは主要通貨に対して堅調な動きとなった。
本日のトピックス
東京市場では、新規材料に乏しい中、前日の海外市場で欧米の主要株価が下落したことから、日経平均株価が軟調な動きとなると指摘されており、株価の動きには注目したい。
米国市場では、ADP雇用統計、非農業部門労働生産性など、雇用関連の経済指標の発表が予定されており、結果に注目したい。そして、米国のロシアゲート問題や税制改革法案、また英国のEU離脱に関する報道などを受けて動きが出る可能性もあることから、報道や要人発言には注目したい。一方、カナダの政策金利発表も予定されており、据え置きであっても声明や当局者の発言を受けて動くケースが比較的多いことから、こちらの結果にも注目したい。
12/6の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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22:15 | 米国 |
11月ADP雇用統計
ADP雇用統計は、民間の給与計算代行サービス会社であるADP(Automatic Data Processing)社のデータを用いて、マクロエコノミック・アドバイザーズ社が発表している雇用統計。2200万人の支払い給与の動向に基づき算出。通常米国雇用統計が発表される2営業日前に発表されるため、米国雇用統計の結果を予想する上でよく参考にされる。
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19.0万人 | 23.5万人 |
前回は、市場予想を上回り、3月以来の高い伸びとなった。2つの大型ハリケーン襲来の影響から回復したことが示される結果となった。今回は、前回から伸び幅が低下すると予想されているものの、直近3ヵ月平均が19.1万人であることから、予想通り低下してもそれほど懸念は大きくならないだろう。ただ、結果が予想を上回るのか、下回るのかでドル/円相場が影響する可能性があるので注意したい。 |