前営業日トピックス
東京市場では、序盤やや上値の重い動きとなったものの、日経平均株価が上昇して始まったことから堅調な動きとなった。午後に入り、株価が上げ幅を拡大する動きとなったことや、欧州主要株価が上昇して始まったこと、また米国債利回りの上昇が続いたことから、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。
しかし、米国市場では、経済指標がやや冴えない結果となったことや、米国債利回りが上昇幅を縮小したことなどもあり、軟調な動きが続いた。ただ、下げ一巡後は、米下院で共和党がまとめた税制改革法案が可決されたこと、また米国債利回りの上昇も加わり、引けにかけてドル円・クロス円は堅調な動きとなった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)日経平均株価が上昇して始まったことや、実需のドル買い・円売りなども見られ、仲値公示近辺までは比較的堅調な動きが続いた。一方、豪ドルは、豪州の雇用統計で就業者数が予想を大きく下回る結果となったことを受けて下落したが、失業率が改善したことで上昇に転じるなど、乱高下となった。
(2)仲値通過後はやや下振れしたが、午後に入り日経平均株価が一段の上昇となったことや、アジア株全般、欧州主要株価が上昇したことが好感され、リスク志向の動きが高まり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。その中で、EUが通商合意を目指す英国案を拒否する計画だと報じられたこと受けて、ポンドは一時主要通貨に対して下落する場面もあった。
(3)米新規失業保険申請件数や輸入物価指数が冴えない結果となったことに加え、米国債利回りの低下もあり、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。また、米税制改革の先行き不透明感なども材料視された。一方、ECB理事が、来年9月以降QE延長の可能性を否定したことを受けて、ユーロも軟調な動きとなった。
(4)下げ一巡後は、米株価が大きく上昇したことや、米共和党の税制改革法案が下院を通過したこともあり、ドル円・クロス円は値を戻す動きが続いた。
本日のトピックス
東京市場では、前日に日経平均株価が大幅反発となり、高値からの下落を踏みとどまったことから、本日の動きに注目したい。ただ、週末で新規材料に乏しいことから、やや限定的な動きも考えられる。
米国市場では、住宅関連、製造業関連の経済指標の発表が予定されているが、前回からの低下が予想されている。そして、11月はヘッジファンドなどの決算期末となることから、ファンド勢の手仕舞い売りが多くなる時期でもある。特に、株価や米ドルの上昇が続いた後であることから、利益確定売りを理由に上値の重い動きが続く可能性も考えられる。また、注目されている米国の税制改革に関しては、昨晩共和党の税制改革法案が下院を通過したが、上院が示した修正案にはオバマケアの見直しを盛り込んだことを警戒する向きもある。特に、トランプ大統領が掲げたオバマケア撤廃を前回否決されているだけに、調整が難航する可能性も懸念されており、今後ドルの上値を抑える要因となる可能性もあるだろう。
11/17の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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22:30 | 米国 |
10月住宅着工件数
住宅着工件数は、建設が着工された民間住宅の着工件数を集計した経済指標で、家電製品などの個人消費との相関性も高いことから、景気動向を見る上で重要な指標である。また、天候の影響を受けやすいという面もある。
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112.7万件 | 119.0万件 |
前回は、大型ハリケーンの影響で最大市場の南部の着工件数が2015年10月以来の低水準になったことが影響し、全体でも2016年9月以来の低水準となった。今回も引き続き減少が予想されている。特に、住宅の改善はハリケーンの影響から数ヵ月時間が要するケースも多いことから、着工件数の先行指標となる建設許可件数の改善が見られるようなら、改善が近いという目安となるだろう。 |