前営業日トピックス
東京市場では、衆院選での与党の圧勝を受けて、安倍政権の経済政策が継続されるとの見方からドル買い・円売りが先行し、ドル/円は一時114円台まで上昇し、約3ヵ月ぶりの高値をつけた。その後は、先週末から続いたドル円・クロス円の上昇に対する利益確定の動きなども入り、上値の重い動きとなった。その後、米国債利回りの上昇や、欧州主要株価の上昇を受けて、ドル円・クロス円は堅調な動きが見られたものの、米国市場では、主要な経済指標の発表もなく、新規材料に乏しい中、海外勢の利益確定の動きなどもあり、ドルは上値の重い動きとなった。また、終盤には株価が下げ幅を拡大する動きとなったことを受けて、ドル円・クロス円は一段の下落となった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)衆院選で、連立与党が300議席を上回る議席を獲得し、アベノミクスや日銀緩和が継続する可能性が高まったとの見方から、現行路線維持への安心感から、マーケットは株高・円安となった。ドル円・クロス円は堅調な動きとなり、ドル/円は一時114.10円まで上昇し、7/11以来の高値を付けた。ただ、仲値公示近辺にかけては、輸出企業のドル売り・円買いが優勢となり、やや下押しした。
(2)日経平均株価が堅調な動きとなったものの、先週末の米上院の予算決議案可決との報道や、日本の衆院選で連立与党が大勝したことで積み上がったドル買い・円売りの利益確定の動きも見られ、やや上値の重い動きが続いた。その後、米国債利回りや、欧州主要株価が上昇したことを受けて、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。
(3)米国市場では、主要な経済指標の発表がなく、新規材料に乏しい中、米国債利回りの低下を背景にドルを売って円を買う動きが先行し、上値の重い動きが続いた。ただ、近いうちに次期FRB議長人事が発表されることや、ECB理事会などの複数の中銀の金融政策発表を控えて様子見ムードも高まっており、限定的な動きが続いた。終盤には、下落に転じた米主要株価が下げ幅を拡大する動きとなったことを受けて、ドル円・クロス円は一段の下落となった。
本日のトピックス
東京市場では、衆院選で与党が大勝したことを受けた流れも一服し、やや上値の重い動きが予想されている。新規材料に乏しい中、特に前日まで15連騰となった日経平均株価が一服するとの見方も多く、値動きに注目したい。また、日銀の金融緩和が続くとの思惑や、米国の利上げ期待の高まり、またECBの量的緩和の縮小期待など、円売り材料が多いことから、ドル円・クロス円の下値はやや限定的とも考えられる。
米国市場では、今週にも発表が予想されている次期FRB議長人事を巡る思惑も燻っていることや、ECBをはじめ、カナダ、ノルウェー、スウェーデンの金融政策発表を控えていることもあり、様子見ムードが強まっており、引き続き限定的な動きが考えられる。ただ、次期FRB議長人事や米連邦予算に関する報道を受けて動きが出る可能性もあり、注目したい。
10/24の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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23:00 | 米国 |
10月リッチモンド連銀製造業指数
リッチモンド連銀製造業指数は、米国の12連邦準備銀行の1つであるリッチモンド地区連銀が発表している製造業指数。1993年から算出が開始されており、NY連銀、フィラデルフィア連銀が発表する指数と合わせて製造業の景況を確認できる。管轄はウェストバージニア州、サウスカロライナ州、ノースカロライナ州、バージニア州、メリーランド州、ワシントンDCなど。管轄地域は米国内生産の9.1%を占める。
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16 | 19 |
前回は、市場予想を上回り、2月以来の高水準となった。今回は、その反動から低下が予想されているが、先に発表されたNY連銀指数、フィラデルフィア連銀指数がいずれも市場の低下予想に反して大幅上昇となるなど、製造業の改善期待が高まっていることから、一部では予想外の上昇となる可能性も期待されている。 |