東京市場では、日経平均株価が上昇して始まったことを受けて、序盤のドル円・クロス円は堅調な動きも見られた。しかし、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長が、トランプ米大統領の警告に対して「史上最高の強硬対抗措置」を検討するとの声明を出したことや、トランプ米大統領が北朝鮮に対する制裁措置の強化を可能にする大統領令に署名したことを受けて、リスク回避の動きが強まった。また、投機筋による週末を控えたポジション調整のドル売りも、ドル/円の下げに拍車をかけた。海外市場では、値を戻す動きとなったものの、新規材料に乏しく、日米の金融政策発表などの重要イベントが終了したこともあり、上値の重い動きが続いた。

※出所：FX総合分析チャート10分足

（1）日経平均株価が堅調な展開で始まったものの、トランプ米大統領が北朝鮮を「完全に破壊する」と警告したことに対し、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長が、「史上最高の強硬対抗措置」を検討するとの異例の声明を発表したことや、北朝鮮外相が、太平洋での水爆実験をかつてない規模で実施する可能性を示唆したとの報道を受けて、改めて北朝鮮リスクが意識され、リスク回避の円買いが優勢となった。

（2）円買い一巡後は値を戻す動きとなったが、北朝鮮の出方を注視したいとの思惑もあり、やや上値の重い動きとなった。また、独DAX指数や英FT100指数など、欧州主要株価が下落して始まったことも加わり、上値の重い動きが続いた。

（3）米国の主要な経済指標の発表もなく、東京市場で高まっていた北朝鮮情勢に対する懸念も一服していることや、日米の重要イベントも終了したこと、また週末であることも影響し、金融市場全般的に限定的な動きとなった。

東京市場では、午後に日本の景気関連の経済指標が発表されるが、反応は限定的だろう。そして、FOMCを受けて米国の年内の追加利上げ期待感が高まった反面、北朝鮮情勢の緊張感が高まったことも影響して、やや方向感のつかみにくい展開が続く可能性が考えられる。
米国市場では、主要な経済指標の発表がないものの、複数の米地区連銀総裁の講演が予定されており、金融政策に関する発言には注目したい。