前営業日トピックス
東京市場では、NY市場の終値よりも若干円高の水準で始まり、北朝鮮のミサイル発射の兆しがあるとの報道で一時的に108.90円に下げたものの、日経平均株価がプラス圏を維持する動きだったこともあり、109.20円近辺まで値を戻し、小幅な値動きが続いた。ロンドン時間には、ECB理事会の発表を控えてユーロが買われた。政策金利は予想通り据え置きとなったものの、その後に行われたドラギECB総裁の会見で、10月に量的緩和縮小の具体的な方針を示すとの発言によりユーロ/ドルが8/29以来の1.200ドルを超える大幅上昇となった。
NY市場が始まると、大型ハリケーン「イルマ」が米国経済に悪影響を与えることへの懸念などを背景として米長期金利が大幅に低下したことからドル売りが加速し、10ヵ月ぶりの安値を付ける動きとなった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)北朝鮮のミサイル発射の兆しがあるとの報道で108.90円まで下落したが、日経平均株価がプラス圏を維持したこともあり、109.20円近辺まで値を戻した。その後はECB理事会を控えてマーケットが閑散となる中、小幅な値動きとなった。
(2)ECB理事会の発表を控えてユーロが買われたことから相対的にドルが売られた。ECB理事会ではドラギECB総裁の会見で、10月に量的緩和縮小の具体的な方針を示すとの発言によりユーロ/ドルが8/29以来の1.200ドルを超える大幅上昇となった。ドル/円は108.70円台まで下落した。
(3)大型ハリケーン「イルマ」が米国経済に悪影響を与えることへの懸念を背景として米国株式市場、米国長期債利回りがともに下げた。米国10年債利回りは2.04%を割れたことからドル売りが加速し、ドル/円は108.05円となり10ヵ月ぶりの安値をつけた。
(4)米国10年債利回りが2.06%近辺まで上昇すると、ドル/円も108.70円台まで上昇。その後はもみ合いとなって引けた。
本日のトピックス
昨日ECB理事会で政策維持が決まったことや、10月に量的緩和縮小の議論開始が決まったことで、ユーロは限定的な動きとなることが考えられる。一方、ドル円は大型ハリケーン「イルマ」による影響を懸念する声が依然強いことや、9/9に北朝鮮の独立記念日を控えていることもあり、米国長期債利回りが前日の安値を更新した場合には大きく下落する可能性が考えられるため注意が必要。
ドル円の前日の安値となる108.05円に近付いた時には108円割れを警戒したい。