前営業日トピックス
東京市場では、北朝鮮がグアムへのミサイル攻撃を検討しているとの報道を受けて、投資家のリスク回避の動きが強まり、安全な通貨とされる円が買われる動きとなった。また、日経平均株価が大きく下落したことも影響した。本来、シンガポール市場が休場のうえ、日本の夏季休暇が本格化するのを控えて実需の市場参加も少なく、小動きの展開が予想されていたが、朝からドル円・クロス円は下振れの展開となった。
その後、値を戻す場面もあったが、日本や欧州の主要株価が大きく下落したことが影響し、上値の重い動きが続いた。米国市場では、円買いの動きが一服し、序盤に発表された米経済指標が予想を上回る結果となったこともあり、ドルは堅調な動きとなった。ただ、その後はやや薄商いの中、上値の重い動きが続いた。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)トランプ米大統領が、核兵器開発を続ける北朝鮮に対して強い警告を発したことに対して、北朝鮮の軍報道官がグアムへのミサイル攻撃を検討していると発言したことが報道され、リスク回避の動きが強まり、比較的安全な通貨とされる円を買う動きが優勢となった。また、日経平均株価が序盤から250円以上の下落となったことも影響した。
(2)午後に入り、円買いの動きが一巡したことや、株価下落も一服したことを受けて、ドル円・クロス円は値を戻す動きとなった。しかし、独DAXや英FT100などの欧州主要株価が下落して始まったことを受けて、再び円が買われる動きとなった。
(3)米国市場では引き続き上値の重い動きとなり、ドル/円は一時109.56まで低下し、6/15以来の安値を付ける動きとなったが、非農業部門労働生産性の結果が予想を上回る動きとなったことを受けて、ドルは主要通貨に対して上昇した。その後は、円買いの動きが一服したことや、米国債利回りの上昇を受けて、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。
(4)米国債入札や当局者の発言を受けて、若干動きが見られたものの、夏季休暇シーズンで市場参加者が少ないことや、翌日の米当局者の会見や米生産者物価指数、週末の米消費者物価指数を控えていることから、様子見ムードも出ており、限定的な動きが続いた。
本日のトピックス
前日は米国や北朝鮮の報道により、株式市場や為替市場は荒れる展開となった。米国市場ではやや落ち着いた動きとなったことから、新たな報道がなければ、限定的な動きが考えられる。日本の主要な経済指標の発表が予定されているものの、夏季休暇シーズンで市場参加者が少ない上、昨日の地政学的リスクの台頭で、積極的に動き難くなっている。
米国市場では、物価関連や雇用関連の米経済指標の発表があることや、NY連銀総裁の会見も予定されていることから、結果や発言内容に注目したい。また、米長期国債の入札も予定されており、前日の入札結果発表時にはドルが動いたことから、こちらの結果にも注目したい。
8/10の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
---|---|---|---|---|
21:30 | 米国 |
7月生産者物価指数(前月比)
生産者物価指数(PPI=Producer Price Index)は、米国内の販売業者の販売価格を調査し、算出した物価指数。特に、振れ幅の大きい食品とエネルギーを除いたコア指数が重要視されており、消費者物価指数(CPI)と同様にインフレ圧力を測る指標として注目されている。
|
0.1% | 0.1% |
前回は、市場予想を上回り、小幅上昇となった。エネルギー価格が低下したものの、食品、サービスが上昇したことが押し上げ要因となった。今回は、引き続き小幅上昇が予想されているが、6月は原油価格が低下していたが、7月は原油価格が上昇していたことから、予想以上の上昇となる可能性も考えられる。 |