前営業日トピックス
東京市場では、前日の米国市場の流れを受けて、序盤から堅調な動きとなった。日経平均株価が上昇したことで、世界的に株価が堅調な動きとなっているとの見方から、比較的安全な通貨とされる円を売る動きが優勢となり、ドル円・クロス円は堅調な動きが続いた。ただ、ドル/円は111円台手前で上値の重い動きとなり、反落する場面もあった。
注目された米ADP雇用統計では、雇用者数の伸びが市場予想を下回る結果となったが、前回結果が上方修正されたことが好感され、ドルは堅調な動きとなった。その後、米国債利回りが低下したことから、ドル売り・円買いが強まり、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。引けにかけては再び堅調な動きとなった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)前日の米国市場で、ダウ平均株価が終値で過去最高値を5営業日連続で更新したことを受けて、東京市場でも日経平均株価が堅調な動きとなった。これを受けて、投資家のリスク志向が強まり、比較的安全な通貨とされる円を売る動きが優勢となった。仲値公示にかけては実需のドル売りが入り、ドル/円はやや弱含んだものの再びドル買い・円売りが強まった。
(2)新規材料に乏しい中、後場に入り日経平均株価が一段高となったことから、ドル円・クロス円は堅調な動きとなり、またストップロスを巻き込んで上げが加速した。一方、ユーロは対ドルで2015年1月以来、対円で2016年2月以来の高値を付ける動きとなった。
(3)111円台を前に上値が抑えられたことや、欧州主要株価が下落したことが影響し、上値の重い動きとなった。また、米雇用関連の経済指標の発表を控えて様子見ムードも出ていた。
(4)ADP雇用統計では、市場予想を下回る結果となったが、前回結果の上方修正分を加味すれば、予想以上の伸びとなったことを受けて、ドルは堅調な動きとなった。ただ、その後は、米当局者のハト派的発言や、米国債利回りの低下を受けて、ドル売り・円買いが優勢となり、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。
(5)再び米国債利回りが上昇したことから、ドル円・クロス円は値を戻す動きとなった。また、ユーロは対ドルで堅調な動きとなり、一時2015/1/6以来となる1.19ドル台乗せとなる場面もあった。
本日のトピックス
東京市場では、日本の内閣改造が発表されるが、為替市場への直接的な影響はないものの、株式市場や債券市場に影響が出るようなら、その動きに反応する可能性がある。その後は新規材料に乏しく、限定的な動きも考えられる。
欧州市場では、欧州中銀の経済報告や、英中銀の金融政策発表が注目されており、特にMPC(英中銀の金融政策決定会合)メンバーの多数決の結果(前回3名の利上げ支持者が今回何名となるのか)に注目したい。
また、米国市場では、米雇用統計の非農業部門雇用者数を予想する上で参考にされるISM非製造業景況指数の発表が予定されており、昨日発表されたADP雇用統計が市場予想を下回る結果となったことから、注目したい。
8/3の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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20:00 | 英国 |
英中銀MPC(金融政策委員会)
金融政策委員会(MPC 〜Monetary Policy Committee)は、イングランド銀行に設置されている委員会であり、総裁、副総裁(2名)、チーフ・エコノミスト、エグゼクティブ・ディレクター、4名の外部委員からなる9名の委員で構成されている。毎月上旬に開催され、政策は木曜日の会合後に発表を行う。
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0.25% | 0.25% |
政策金利などは現状維持がコンセンサスとなっている。インフレ率は中銀の目標を上回っており、小売売上高やGDP、製造業指数が堅調な結果となったことで、英経済に対する安心感も広がっている。利上げ支持者が複数となれば、ポンドの押し上げ要因となる可能性もある。 | ||||
23:00 | 米国 |
7月ISM非製造業景況指数
ISM非製造業景況指数は、全米供給管理協会(Institute for Supply Management=ISM)が発表する米国の非製造業(サービス業)の景況感を示す指数。管理責任者に対するアンケートを集計した指数であり、50が景気の拡大・後退の判断基準であり、50を上回れば景気拡大、下回れば景気後退と判断する。
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56.9 | 57.4 |
前回は、市場予想を上回る結果となり、大半の関連項目が前月を上回る結果となったものの、雇用は前月を下回る結果となった。今回は、前回から若干の低下が予想されているが、米雇用統計の非農業部門雇用者数を予想する上で参考にされる指数であり、結果を受けて敏感に反応することも多い指標であることから、注目したい。 |