前営業日トピックス
東京市場では、引き続きトランプ米大統領の政策運営に対する懸念などを背景に、円買い・ドル売りが先行した。また、日経平均株価が軟調に推移したことも投資家の消極姿勢を誘い、安全資産とされる円が買われる動きとなり、ドル円・クロス円は軟調な動きが続いた。
米国市場では、主要な経済指標の発表がないものの、米下院議員の発言が報道されたことを受けて、トランプ米大統領の政権運営への不安が一段と広がり、ドル売りが優勢となった。また、欧米の株価下落も影響し、投資家のリスク回避の動きも強まり、クロス円も軟調な動きとなった。特に、ドル/円は4/25以来の安値を付ける動きとなった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)トランプ米大統領の政策運営に対する懸念などを背景に、円買い・ドル売りが優勢だった。また、日経平均株価が下落して始まったことも影響し、安全資産とされる円を買う動きが優勢となった。
(2)仲値公示近辺ではやや一服となったものの、日経平均株価が軟調な動きが続いたことや、米国の長期金利も低下傾向にあることなどが圧迫要因となり、ドル円・クロス円は上値の重い動きが続いた。
(3)欧州主要株価が軟調な動きとなったことから、引き続き上値の重い動きが続いた。
(4)トランプ大統領がFBI前長官に対して、辞任した前大統領補佐官に対する捜査の中止を要請していたと報じられたことや、ロシア外相に機密情報を漏らしたとの報道が引き続き材料視され、ドルは軟調な動きとなった。また、米下院議員がトランプ大統領の弾劾を呼びかけるとの報道も加わり、政権運営への不安が一段と強まったとの見方から、ドル売りが強まった。また、大型減税など経済政策の実現が遅れることへの警戒感から、米主要株価も大きく下落する動きとなった。
本日のトピックス
東京市場では前日の米国市場の流れを受けて、上値の重い動きが予想される。特に、欧米の株価が大きく下落したことから、日経平均株価も大きく下落することも考えられ、株価下落を受けて改めてリスク回避の動きが強まる展開もあるだろう。また、日本のGDP、豪州の雇用統計の結果も影響する可能性も考えられる。
米国市場では、引き続きトランプ政権の政権運営への不安感から上値の重い動きが考えられる。また、米国の主要な経済指標の発表も予定されており、結果に注目したい。
5/18の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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21:30 | 米国 |
5月フィラデルフィア連銀景況指数
フィラデルフィア連銀の管轄であるニュージャージー、ペンシルバニア、デラウエアの製造業の景況感などを指数化した経済指標で、最も早く公表される製造業の景況指数の一つである。製造業に関連した新規受注・雇用・在庫など、指数化された数値が発表される。数値はゼロが景況の判断の基準となる。
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18.5 | 22.0 |
前回は市場予想を下回り、2ヵ月連続の低下となった。2月に1984年1月以来の高水準を付けてから失速が続いている。今回も、前回からの低下が予想されているが、先日発表されたNY連銀指数が予想外の悪化となったこともあり、当該指数も予想以上の低下となる可能性も想定しておきたい。 | ||||
23:00 | 米国 |
4月景気先行指標総合指数(前月比)
米国の民間調査機関のコンファレンスボードが発表する指標で、株価や金利、企業業績、マネー・サプライなど景気に先行して動く10種類の経済指標を指数化した経済指標。景気の方向性や転換点を判断する上で参考にされる。
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0.4% | 0.4% |
前回は、市場予想を上回る結果となったものの、2ヵ月連続の低下となった。ただ、昨年12月からは比較的高い伸びが続いており、米景気に対する期待感も出ている。今回は、前回と同様の伸びが予想されているが、住宅着工許可件数などの悪化もあり、やや影響が出る可能性も考えられる。 |