前営業日トピックス
東京市場では、日経平均株価の上昇や、本邦実需のドル買い・円売りを受けて、序盤は堅調な動きとなった。しかし、米国がシリアで巡航ミサイルを発射したとの報道を受けて、投資家のリスク回避の円買いが強まり、ドル円・クロス円は急落となった。その後は、値を戻す動きとなったが、引き続き地政学的リスクや、米中首脳会談を控えていることを受けて、上値の重い動きが続いた。
そして、米雇用統計では、雇用者数が市場予想を大幅に下回る結果となったことを受けて、ドルが主要通貨に対して下落となり、クロス円も軟調な動きとなった。ただ、失業率が低下したことが好感され、値を戻す動きとなった。その後、米当局者の発言を受けて一段の上昇となる場面もあった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)日経平均株価が上昇して始まったことや、実需のドル買い・円売りも入り、仲値公示近辺までドル円・クロス円は堅調な動きが続いた。しかし、米軍がシリアに巡航ミサイルを発射したとの報道を受けて、投資家のリスク回避の動きから円買いが優勢となった。
(2)円買いが一服すると、ドル/円が110.10台まで下落したことで、値頃感のドル買いも入り、値を戻す動きとなった。ただ、地政学的リスクを嫌気した欧州勢の売りも入り、上値の重い動きが続いた。
(3)米雇用統計を控えて様子見ムードも強く、発表までは限定的な動きが続いた。そして、米雇用統計では、雇用者数の伸びが市場予想を大きく下回る結果となり、ドル売りが優勢となった。
(4)失業率が4.5%まで低下し、2007年5月以来の低水準となったことが好感され、買い戻される場面もあった。また、NY連銀総裁の発言を受けて、後退していた6月の利上げ観測がやや持ち直したことから、ドルは一段の上昇となった。
本日のトピックス
東京市場では、主要な日本の経済指標の発表が予定されており、結果に注目したい。また、下落が続く日経平均株価の下げ止まりが見られるのかにも注目したい。指標結果や株価動向に為替市場が左右される可能性が考えられる。
一方、米国市場では、主要な経済指標の発表がなく、前週末の雇用統計の結果や当局者の発言が材料視される可能性もある。そして、米軍がシリアを攻撃したことで地政学リスクも高まっており、加えて北朝鮮のミサイル発射や核開発問題なども燻っていることから、全般的にやや上値は限定的と考えられる。また、シリアや北朝鮮を巡って緊張感が高まる場合には、先週末の朝方同様にリスク回避の動きが強まる可能性も想定しておきたい。