東京市場では、トランプ政権によるオバマケアの代替法案の撤回で、大型減税などの実現が難しくなったとの懸念を背景に、ドルを売って比較的安全な資産とされる円を買う動きが優勢だった。また、日経平均株価が大きく下落したことも加わり、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。下げ一巡後には、値頃感の買い戻しの動きが見られたことや、大きく下落した米株価が下げ幅を縮小する動きとなったことも影響し、ドル円・クロス円は値を戻す動きとなった。

※出所：FX総合分析チャート10分足

（1）オバマケア代替法案の下院採決が、通過に十分な票数を確保できなかったことから法案が撤回されたことを受けて、米政権の政策運営に対する不透明感からドル売りが優勢となった。また、日経平均株価が序盤から大きく下落したことも影響し、クロス円も軟調な動きとなった。そして、仲値公示にかけては輸出企業のドル売りも見られた。

（2）仲値公示通過後は、リスク回避の円買いも一服し、底固い動きとなった。ただ、輸出企業などから期末関連のドル売り・円買いが断続的に出ていたことや、欧州株価が軟調な動きで始まったことも影響し、ドル円・クロス円は上値の重い動きが続いた。

（3）米国市場では、やや上値の重い動きで始まったものの、1ドル＝110円の節目近辺では値頃感の買い戻しも入り、底固い動きとなった。また、株価が下落して始まったことも影響し上値の重い動きとなった。

（4）米株価が下げ幅を縮小する動きとなったことや、米債券利回りが上昇に転じたことも影響し、ドル円・クロス円は反発となった。

東京市場では、日本の経済指標の発表などもなく、新規材料に乏しい中、前日に大きく下落した日経平均株価の動きに注目したい。引き続き軟調な動きとなるようなら、リスク回避の動きが強まる可能性も考えられる、また、期末関連の実需の動きも活発になる可能性もあり、仲値公示前後や引けにかけての動きにも注目したい。ただ、前日に110円台前半では値頃感の買い戻しの動きも見られたことから、下値は限定的と考えられるが、下抜ける場合には、ストップを巻き込んで一段の下げとなる可能性も想定しておきたい。　米国市場では、大規模減税などトランプ米政権の経済政策の先行きに対する不透明感も燻っており、上値の重い動きが考えられる。ただ、新たな政策スケジュールの発信などがあるようなら、再び期待感が高まる可能性も考えられる。また、主要な経済指標の発表も予定されており、結果には注目したい。

時間	国・地域	経済指標・イベント	予想	前回
23:00	米国	3月消費者信頼感指数	114.0	114.8
		前回は、市場予想を上回り、2001年7月以来の高水準となった。関連指数では、現況指数が2007年以来の高水準となり、消費者の期待感が高いことが示された。 今回は、前回結果からやや低下が予想されているものの、高水準を維持すると見られる。ただ、株価は3月上旬に最高値を更新したが、その後は下落が続いていることもあり、消費者のマインドもやや一服感が出る可能性も考えられ、予想以上の低下も想定しておきたい。