前営業日トピックス
東京市場では、海外市場の堅調な流れが一服となり、ドル円・クロス円は序盤から軟調な動きとなった。また、日経平均株価が下げ幅を拡大したことも影響し、一段の下落となった。午後には売り一巡となり、底固い動きとなった。そして、改めて米国の早期利上げ期待の高まりが材料視されたことや、米経済指標が市場予想を上回る結果となったことを受けて、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。
注目されたイエレンFRB議長の講演では、3月の利上げの可能性に言及したことを受けて、ドルが上昇する場面もあったが、利益確定などの動きに押され、終盤には113円台まで下落する動きとなった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)1月の日本の消費者物価指数は、前年比で1年1ヵ月ぶりのプラスとなったものの、マーケットの反応は限定的だった。そして、ドル円・クロス円は前日堅調な動きだったことから、利益確定やポジション調整が入り、軟調な動きとなった。また、日経平均株価が下げ幅を拡大したことから、ドル円は一段の下落となった。
(2)下げ一巡後は、米イエレンFRB議長など複数の米当局者の講演内容を見極めたいとの思惑がある一方、米国の早期利上げ期待が更に高まるとの見方も要因となり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。
(3)欧米の株価下落を受けて、下押しする場面もあったが、米経済指標が市場予想を上回る結果が続いたことや、当局者の発言を受けて、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。
(4)イエレンFRB議長の講演では、「経済が予想通り進展すれば、3月利上げは適切」と発言し、3月利上げの可能性に言及したことを受けて、ドル買いとなった。しかし、ある程度は折り込み済みであることから、利益確定の売りも入り、下落する場面もあった。その後、フィッシャーFRB副議長の発言を受けて、再び上昇したものの、ポジション調整の動きなども加わり、終盤には113円台まで下落した。
本日のトピックス
東京市場では、週明けで新規材料に乏しい中、先週末の海外市場の動きを受けて、序盤は軟調な動きが考えられる。ただ、3月の米国の利上げ期待が高まっていることから、下げ一巡後には先週の米当局者の発言が改めて意識され、ドルは底固い動きとなる可能性もあるだろう。
米国市場では、主要な経済指標の発表が予定されているものの、週末の米雇用統計や来週のFOMCを控えて限定的な動きとなる可能性が考えられる。
3/6の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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24:00 | 米国 |
1月耐久財受注(前月比)
米国の耐久財(耐久年数3年以上)の新規受注額を集計した指標であり、設備投資の先行指標として注目されている。特に、変動の大きい輸送用機器などを除いた受注額が民間の設備投資の先行指標として注目されている。
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1.0% | 1.8% |
前回の速報値は、市場予想を上回る結果となり、3ヵ月ぶりのプラスとなった。輸送機器の受注が大きく伸びた一方、輸送機器以外の受注が低調となり、輸送機器を除いた受注は2016年6月以来のマイナスとなった。今回の確定値では、輸送機器が修正されるため、速報値からの下方修正が予想されている。特に、コア(変動の激しい輸送機器を除いた数値)の結果に注目したい。 |