前営業日トピックス
東京市場では、海外市場の流れを引き継ぎ、ドル買い・円売りが先行した。また、日経平均株価が大きく上昇して始まったことや、五十日(ごとおび)で実需のドル買いが出たことも影響し、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。
その後は、日米首脳会談を控えて様子見ムードも高まり、もみ合いの動きが続いた。米国市場では、米経済指標がまちまちの結果となり、結果を受けて動きが見られたものの、方向性に欠ける限定的な動きとなった。
そして、注目された日米首脳会談では会談内容が広範囲となり、為替が主要議題とならなかったことから、小動きの展開が続いた。ただ、為替に関する質問を受けて一時ドル売り・円買いとなる場面もあったが、動きは一時的となった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)米大統領の税制改革発言が引き続き好感され、ドル買い・円売りが先行した。そして、日経平均株価が300円以上上昇して始まったことも円売りを加速させ、113.50を上抜けたことでショートカバーの買いも入った。また、商業決済が集中しやすい五十日(ごとおび)でもあり、仲値公示付近まで実需のドル買い・円売りも入った。
(2)日米首脳会談を控えて様子見ムードが強まった。また、1月の中国の貿易収支は予想を上回る黒字額となったものの、反応は限定的となり、レンジ内でのもみ合いの展開が続いた。
(3)米物価関連の経済指標が予想を上回る結果となったことを受けて、ドルが買われる場面もあったが、日米首脳会談を控えて、限定的な動きとなった。ただ、ミシガン大消費者信頼感指数が予想以上の低下となったことから、ドル売りとなる場面もあった。
(4)日米首脳会談後の記者会見では、基本的事項の確認で個別事項に関しては担当相同士の協議をしていくとしたことから、マーケットへの影響は限定的となった。ただ、質疑応答で、中国の為替操作に関する日本の新聞社の質問に、トランプ大統領が「通貨切り下げについては以前から指摘してきた」と発言したことを受けてドル売り・円買いとなり、一時113円台を割り込む場面もあった。
本日のトピックス
東京市場では、日本のGDPの発表があり、結果を受けて株価などに影響する可能性も考えられる。しかし、先週末の日米首脳会談というイベントも、一時的な動きはあったが、ほぼ無風だったことから、週明けに大きな影響はないだろう。米国市場では、主要な経済指標の発表がなく、小動きの展開が考えられる、ただ、トランプ大統領の発言や政策に関する報道には敏感に反応する可能性もあることから注意はしておきたい。
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート 日足
ドル/円は、日足ベースで一目均衡表の雲の中での動きが続いている。ここから堅調な動きが続くのか、再び軟調な動きとなるのか注目したい。上値のポイントとなる113.96を上抜ければ、一段の上昇も考えられる。一方、下値は112.53がポイントとなり、ここを下抜けると一段の下落も考えられる。また、前日のローソク足の足型から上値の重い動きも考えられる。ただ、オシレーターのMACDでは、両線のクロスが間近であることから、クロスして両線が乖離する動きとなるようなら、下げも短いと考えられる。