前営業日トピックス
東京市場では、日銀が通告した国債買入れを受けて、10年債利回りが上昇したことから、円買いが優勢となった。しかし、日銀が利回りを指定した上で国債を無制限に買い入れる『指値オペ』を実施との報道を受けて、長期金利が低下、日米の金利差拡大が意識されたことで、円を売ってドルを買う動きが優勢となった。その後は、米雇用統計を控えて小動きの展開が続いた。そして、米雇用統計では、注目されていた賃金の伸びが低下したことから、ドル売りが強まった。 下げ一巡後は終盤にかけて値を戻す動きとなった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)日経平均株価が堅調な展開で始まったことを受けて、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。日銀が通告した国債買入れをきっかけに円債が売られ、日本の10年債利回りが上昇したことから、日米金利差縮小が意識され、円が買われる動きとなった。
(2)中国の経済指標は、まちまちの結果だったことから、為替市場には目立った反応は見られず、もみ合いの動きが続いた。日銀が『指値オペ』を通告したとの報道を受けて、日米金利差が縮小するとの思惑が後退したことから円売りが優勢となり、ドル円・クロス円は急上昇となった。
(3)独DAX指数や英FT100指数など欧州主要株価が堅調な動きとなったことから、堅調な動きも見られたものの、米雇用統計の発表を控えて様子見ムードが強まり、もみ合いの展開が続いた。
(4)米雇用統計では、非農業部門雇用者数が市場予想を上回る結果となり、ドルが買われる場面もあったが、失業率が悪化したことや、賃金の伸びが市場予想を下回る結果となったことが嫌気され、ドルが売られた。
(5)112円台前半では値頃感の買い戻しもあり、値を戻す動きとなった。また、米当局者が3月の利上げの可能性に言及したことを受けて、ドルは一段の上昇となった。ただ、引けにかけては上値の重い動きとなった。
本日のトピックス
東京市場では、週明けで新規材料に乏しい中、前週末の米雇用統計の結果が意識される可能性も考えられる。日経平均株価や日本の債券市場の動きに影響を受ける可能性もあることから注視したい。米国市場では、主要な経済指標の発表がなく、材料に乏しい中、引き続きトランプ米大統領や政府要人の発言がある場合には影響を受ける可能性も考えられる。特に、今週末に日米首脳会談を控えていることから、日本の通商、金融政策に関する内容の言及には、特に敏感に反応する可能性が考えられる。
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート 日足
ユーロ/ドルは、日足の一目均衡表の雲上限近辺で上値の重い動きとなっており、雲を上抜けて一段の上昇となるのか、引き続き雲の中の動きとなるのか注目したい。
上値のポイントは、一目均衡表の雲上限ライン(6日1.0826、それ以降は1.0821)となり、ここを上抜ける場合には、レジスタンスの1.0875が次のポイントとなる。一方、下値のポイントはトレンドラインとなり、ここを下抜ける場合には1.0621を目指す動きも考えられる。オシレーターのMACDでは、両線の乖離幅が一定の幅が続いているが、両線とも失速気味であり、下向き、交差となる場合には、軟調な動きとなる可能性も考えられる。