前営業日トピックス
東京市場では、序盤に日本の貿易収支が発表され、4ヵ月連続の黒字となり、2016年通年では6年ぶりの黒字となったが、反応は限定的だった。その後は、前日からドル円・クロス円が堅調な動きが続いた反動から、利益確定の動きなども入り、ドル円・クロス円は軟調な動きが続いた。そして、欧州市場でも一段の下げとなる場面もあった。米国市場では、新規材料に乏しいものの、欧米の株価が堅調な動きとなり、特に米ダウ平均株価が初めて20,000ドル台に乗せたこと、また米国債券利回りの上昇も加わり、ドル円・クロス円は堅調な動きが続いた。ただ、終盤には利益確定などの動きがあり軟調な動きも見られた。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)日経平均株価が上昇して始まったことを受けて、一時113.99円と114円台に迫った。その後は、114円台に乗せきれず、売りに押されて軟調な動きとなった。また、日経平均株価が上げ幅を縮小する動きとなったことも影響した。実需の売買の多い五十日(ごとおび)であり、仲値公示近辺ではドル買いも見られたが、114円台手前で失速したことで、短期的なドルロングの巻き戻しに押された。
(2)円買いが一巡したことや、午後に入り株価が下げ止まり、引けにかけてやや上昇したことを受けて、ドル円・クロス円は値を戻す動きとなったが、上値の重い動きが続いた。
(3)欧州勢がトランプ大統領の保護主義的な政策を警戒してドルを売る動きなどもあり、ドル/円は113円台前半まで下落した。
(4)米国の主要な経済指標の発表がなく、新規材料に乏しい中、113円台前半では値頃感の買いや、米債券利回りの上昇を意識したドル買い・円売りから堅調な動きとなった。そして、米ダウ平均株価が初めて20,000ドル台乗せとなったことも加わり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。ただ、その後は上値の重い動きとなり、終盤には、一段の下げとなった。
本日のトピックス
前日の海外市場で、米ダウ平均株価が20,000ドル台の大台乗せとなったことから、日経平均株価も連れ高となる可能性が考えられる。そして、米債券利回りの上昇も伴えば、ドル円・クロス円は堅調な動きが考えられる。ただ、今週に入り114円台近辺では上値の重い動きが続いていることから、この近辺の動きには注目したい。
米国では、主要な経済指標の発表が予定されているが、大きく崩れる可能性は少なく、指標結果を受けた動きは限定的だろう。むしろ、米政府の要人発言や、株価や債券利回りの動きに注目したい。特に、前日大台乗せとなったダウ平均株価の動きには注目したい。
1/26の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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22:30 | 米国 |
新規失業保険申請件数
新規失業保険申請件数は、労働省が失業保険を申請した人(失業者)の数を毎週発表する経済指標。毎週(木曜日)発表されるため、雇用情勢の速報性に優れており、雇用統計の先行指標として注目されている。ただ、米国の祝祭日や天候などの影響を受けやすいという点もある。
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24.7万件 | 23.4万件 |
前回は、市場予想を下回り、2016年11月12日の週以来の低水準に改善した。また、より変動の少ない4週移動平均は1973年以来の低水準となっている。今回は、前回から増加が予想されているものの、3週連続で予想を下回る結果が続いていることもあり、引き続き低水準が維持される予想のため、懸念が高まる可能性は低いだろう。 | ||||
0:00 | 米国 |
12月新築住宅販売件数
新築住宅販売件数は、米国内で販売された新築住宅件数(売買契約締結時点)を集計した経済指標であり、地域別の販売件数や販売価格、一戸建やコンドミニアム、集合住宅を含めた数字も発表されている。そして、景気動向の先行を見る上で注目されている指標の一つである。
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58.8万件 | 59.2万件 |
前回は、市場予想を上回り、2016年7月以来の高水準となった。住宅ローン金利の上昇し始めたことを受けて、駆け込み需要が増えたことが影響した。今回は、前回からやや低下が予想されているが、トランプ政権の住宅業界の規制が緩和されるとの見方もあり、引き続き堅調な需要が見込まれている。 |
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート 1時間足
ドル/円は、一目均衡表の雲上限近辺で上値の重い動きとなり、雲下限近辺まで下落している。ここから完全に下抜けて一段の下げとなるのか、底固い動きが続くのか注目したい。下値のポイントは、サポートの113.04となり、ここを下抜ける場合には112.53が次のポイントとなる。112.53も抜ける場合には112.00が重要なポイントとなる。一方、上値は113.99が重要なポイントとなり、ここを上回る場合には、114.44が次のポイントとなる。
気まぐれ投資コラム
米ダウ平均が初めて20,000ドル突破
史上初めて20,000ドルの大台に到達した、米ダウ平均価格のこれまでの推移をまとめてみました。
・1896年5月26日 ダウ平均の公表開始。初日終値40.94ドル
・1928年10月1日 銘柄数が現在と同じ30に
・1929年9月 連日の大幅安で世界恐慌の引き金
1929年9月の381.17ドルから1932年7月の41.22ドルまで下落
・1987年10月19日 ブラックマンデー発生。22.6%安と過去最大の下落率
1987年8月の2736.60から1987年10月の1616.21ドルまで下落
・1995年11月21日 終値ベースで5000ドル突破
・1999年3月29日 終値ベースで1万ドル突破
・2008年9月15日 リーマン・ショック
2007年10月の14198.10から2009年3月の6469.95まで下落
・2013年5月7日 終値ベースで15000ドルを突破
・2015年8月24日 世界同時株安でパニック売り
2015年5月の18351.36から8月28日の15370.33ドルまで下落
・2017年1月25日 初めて20000ドルを突破
※出所:Bloomberg