前営業日トピックス
朝方、ムニューチン次期財務長官が過度に強いドルに懸念を示したことを受けて、アジア市場ではドルが下落して始まった。その後、値を戻す動きとなったものの、上値の重い動きとなり、再びドル/円は112.50台まで下落する動きとなった。
午後に入ると、米長期金利の上昇を背景に日米の金利差拡大が意識され、円売り・ドル買いが優勢となった。また、欧州の株価上昇で投資家がリスクを取る姿勢を強め、相対的に安全な通貨とされる円が売られやすい地合いとなった。そして、英ポンドは、英最高裁がEU離脱に関して英議会の承認が必要との判決を出したことを受けて乱高下する場面もあったが、想定内の結果であり、方向性に欠ける動きとなった。
米国市場では、米住宅関連の経済指標が予想を下回る結果となったことから、ドル/円は112円台まで下落する場面もあった。しかし、米株価や債券利回りの上昇を背景に、円売りが優勢となり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)ムニューチン氏が、過度に強いドルは短期的にマイナスと発言したことを受けて、ドル売り・円買いに反応し、ドル円・クロス円はギャップダウンとなった。ドル/円は、112.50台では押し目買いのフローが流入し底固い動きとなった。
(2)112.50台では、大手機関投資家のドル買いやオプション関連の売買もあり、ドルは113円台まで反発した。しかし、113円台では戻り売りに押され、再び円買いが優勢となり、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。なお、人民元の対ドル基準値は1ドル6.8331元(前営業日終値は6.8540元)となり、11月中旬以来の高値となった。
(3)米債券利回りが上昇したことを受けて、ドル買い・円売りが優勢となった。また、欧州主要株価が堅調な展開で始まったことも押し上げ要因となった。ただ、英ポンドは、英国のEU離脱問題に絡む最高裁判決を控えて小動きの展開が続いた。
(4)ドル円・クロス円は、一服感からもみ合いの展開が続いたものの、ポンドは英最高裁がEU離脱通知に英議会の承認が必要との判決を下したことを受けて、142.10まで上昇後140.94まで下落するなど乱高下となった。その後、米経済指標の悪化を受けて、ドルはやや下げる場面もあった。
(5)米債券利回りの上昇に加え、米主要株価が堅調な動きとなったことを受けて、円売りが優勢となり、ドル円・クロス円は堅調な動きが続いた。
本日のトピックス
東京市場では、やや新規材料に乏しい中、海外市場の流れを引き継ぐ展開が考えられる。また、月末の五十日(ごとおび)であることから、実需の売買も活発になる可能性も考えられることから、仲値公示近辺や引け近辺の動きには注意したい。
海外市場では、主要な米国の経済指標の発表もないことから、株価や債券市場の動きに注目したい。そして、米国の主要企業の決算は、比較的好調な結果が続いていることを受けて、ナスダックが最高値を更新するなど、主要株価が上昇している。昨日、米ダウ平均株価が再び19900ドル台を超えており、20000ドルの大台乗せをトライするのかにも注目したい。
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート 1時間足
ユーロ/ドルは、もみ合いの展開が続いており、現状では、雲上限ライン近辺で底固い動きとなっている。ここから雲上限ラインに沿って上昇となるのか、雲の中に入り込む展開となるのか注目したい。雲の中に入り込む展開となる場合には、トレンドラインやサポートの1.0707がポイントとなり、ここを下抜ける場合には、雲下抜けの可能性も想定しておきたい。一方、上値のポイントは1.0770、1.0775がポイントとなり、ここを上抜ける場合には、上値の重要なポイントとなる1.0826を目指す展開も考えられる。