前営業日トピックス
東京市場では、海外市場の軟調な流れが一服し、堅調な展開となった。そして、日経平均株価が上昇したことや、実需のドル買いも押し上げ要因となった。しかし、イエレンFRB議長の発言を受けて、ドル売りが優勢となった。その後、米債券利回りの上昇を受けて、ドルを中心に堅調な動きとなった。米国市場では、主要な経済指標の発表がなく、トランプ次期大統領の就任式を控えて、様子見ムードからレンジ内の動きが続いた。
そして、トランプ大統領の就任式での演説では、具体的な内容に言及しなかったことから、ドル円はやや軟調な動きとなった。また、ポジション調整なども加わり、ドルは主要通貨に対しても軟調な動きとなった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)日経平均株価が序盤堅調な動きとなったことを受けて、やや底固い動きとなった。また、商業決済が集中する五十日(ごとおび)であり、国内輸入企業などのドル買い・円売りも出ていた。
(2)イエレンFRB議長が「金融政策スタンスを緩やかに調整することが賢明」、「金融政策のスタンスは依然やや緩和的」と発言したことが、ややハト派的と受け止められ、ドル売りに反応した。なお、中国の経済指標はまちまちの結果となり、マーケットへの影響は限定的だった。
(3)トランプ氏の大統領就任式を控え、様子見ムードが広がり、もみ合いとなった。その後は、米債券利回りの上昇を受けて、日米の金利差拡大が意識され、ドル買い・円売りとなった。
(4)米大統領の就任式までもみ合いの展開が続いた。そして、トランプ氏が米連邦議事堂で開かれた式典で宣誓し、正式に第45代米大統領に就任した。就任式の演説では、米国第一主義の政策を推進すると表明した。政策の具体的な内容に言及しなかったことや、過激な発言がなかったことから、ドルはメキシコペソなど、新興国通貨を中心に主要通貨に対して軟調な動きとなった。
本日のトピックス
東京市場では、先週末の米大統領就任式で正式に米国の大統領となったトランプ氏の演説で掲げた中身が意識される可能性が考えられる。演説では、具体的な内容には言及しなかったが、これまでの発言やホワイトハウスのウェブサイトで今後の方針を掲げていることから、思惑が交錯する可能性も考えられる。
そして、米国市場では、主要な米国の経済指標の発表はないが、大統領報道官が週明けから問題に集中的に取り組むと発言していたことから、政策関連の報道や要人発言などには注目したい。
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート 1時間足
ドル/円は、重要なサポートの114.40を下抜けたものの、再び上回る動きとなった。ただ、一目均衡表の雲の中の動きとなっており、目先雲をどちら側に抜けるのか注目したい。上値のポイントは、すぐ上のネックライン、雲上限ラインが重要と考えられ、これらを上抜ける場合には一段の上昇も考えられる。一方、下値のポイントは(1)114.40、(2)雲下限ラインとなり、すぐ上のネックライン(ピンクライン)を完全に上抜けずに(1)(2)を下抜ける場合には、下値目標の計算値である113.49を目指す展開も考えられる。