前営業日トピックス
東京市場では、海外市場の堅調な流れが一服し、序盤から上値の重い動きとなった。また、上昇して始まった日経平均株価が上げ幅を縮小する動きとなったことなどが影響し、軟調な動きが続いた。その後は、新規材料に乏しい中、米長期債利回りが上昇となり、日米金利差拡大が意識されたことから、ドル買い・円売りが優勢となった。また、米当局者の発言も材料視され、ドル/円は約5ヵ月半ぶりの高値を付ける動きとなった。米国市場では、序盤に発表された主要な米経済指標が市場予想を下回る結果となったことから、ドルは軟調な動きとなった。その後、原油価格の急騰でドル/円も押し上げられたが、米長期金利の低下が続いたことや、株価の下落が続いたことから、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)海外市場でのドル買い・円売りが一服し、序盤から軟調な動きとなった。また、日経平均株価が上昇して始まったものの、その後伸び悩んだことや、米長期金利が低下したことが影響し、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。
(2)米長期債利回りの上昇が続いたことから、ドル/円は堅調な動きとなった。また、セントルイス連銀総裁が、12月に利上げしなければ、現時点では意外感を持つと言わざるを得ないと述べたことも支援材料となった。ドル/円は109.75まで上昇し6月1日以来の高値を付け、ユーロ/円も117.49まで上昇し7月21日以来の高値を付けた。
(3)米国市場では、米生産者物価指数、鉱工業生産がいずれも市場予想を下回る結果となったことや、米債券利回りが低下したことも影響し、ドル/円は軟調な動きとなった。ただ、一時原油価格の急騰を受けて、値を戻す場面もあったが、先週からドル高・円安が続いたことから、利益確定の動きも見られ、その後は再び下落する動きとなった。
本日のトピックス
東京市場では、日本の経済指標の発表がないことや、ドル/円が海外市場で6月以来の高値を更新したことから、序盤は前日同様に上値の重い動きとなる可能性も考えられる。また、豪州の雇用統計の発表もあり、豪ドルなどの動きには注目したい。また、引き続き、株価や米長期債の利回りの動きにも注目したい。米国市場では、複数の主要な経済指標の発表が予定されており、結果に注目したい。そして、安倍晋三首相とトランプ次期米大領領の会談や、イエレンFRB議長の議会証言も予定されていることから、内容には注目したい。特に、このところの米当局者の発言から、米国の12月の利上げ期待も高まっており、FRB議長の発言には特に注目したい。
11/17の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
---|---|---|---|---|
22:30 | 米国 |
10月消費者物価指数(前月比)
消費者物価指数(CPI = Consumer Price Index)は、消費者を対象とした小売やサービスの価格動向を示した指数である。特に、食品とエネルギーを除いたコア指数が重要視されている。そして、米国の金融政策を決定する上で重要な経済指標であり、為替市場への影響も大きい。
|
0.4% | 0.3% |
前回は市場予想と一致し、4月以来の高水準となった。今回の発表は前月より原油価格が上昇していた月のデータであり、前日発表された物価指標でもエネルギー価格の上昇が示されていたことから、全体を押し上げる要因となる可能性もあり注目したい。 | ||||
22:30 | 米国 |
10月住宅着工件数
住宅着工件数は、建設が着工された民間住宅の着工件数を集計した経済指標で、家電製品などの個人消費との相関性も高いことから、景気動向を見る上で重要な指標である。また、天候の影響を受けやすいという面もある。
|
116.0万件 | 104.7万件 |
前回は市場予想を大きく下回り、2015年3月以来の低水準となり、11ヵ月ぶりに110万件の大台を下回った。主要な一戸建て住宅が伸びたものの、その他の住宅が大幅な低下となったことが影響した。先行指標となる許可件数が、前月まで2ヵ月連続の伸びとなっていることからも、今回改善が予想されている。主要な住宅関連指標であることから、予想以上の改善となれば、反応はより大きくなるだろう。 | ||||
22:30 | 米国 |
10月建設許可件数
住宅建設許可件数は、住宅建設の許可申請の発行数を集計した経済指標である。そして、住宅建設は自治体に許可申請を行わなければならないため、住宅建設の先行指標となる。また、ローン金利の動向などに左右される面もあり、他の住宅関連指標同様に景気動向を見る上で重要な指標として注目されている。
|
119.5万件 | 122.5万件 |
前回は市場予想を大きく上回り、2015年11月以来の高い伸びとなった。今回は、前回から低下が予想されているものの、依然として堅調さが示される水準であることから、大きな低下とならなければ、懸念は広がらないだろう。 |
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート 1時間足
ドル/円は、一目均衡表の基準線・転換線を下抜けて雲上限近辺まで下げている。そして、基準線・転換線がクロスし、遅行スパンが価格帯を下抜けていることから、価格が雲を下抜ける場合には、三役逆転の売りシグナルとなることから注目したい。オシレーターのMACDは、両線下向きとなっており、両線がゼロラインを下抜ける場合には、下げ継続のシグナルとなることから、こちらのラインの動きにも注目したい。