前営業日トピックス
東京市場では、ブレイナードFRB理事のハト派的な発言を受けて、早期の利上げ観測が後退したことが引き続き材料視され、ドル円・クロス円は序盤から軟調な動きとなった。そして、円買い一巡後は、円売りが優勢となったものの、ドル/円は102円近辺で上値の重い動きが続いた。米国市場では、主要な経済指標の発表がなく材料に乏しい中、米債券利回りが軒並み上昇となり、日米の金利差拡大が意識されたことを受けて、ドル買い・円売りが続いた。ただ、豪ドル、英ポンドなどは、原油や株価の下落が影響し、ドルや円に対して上値の重い動きとなった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)ブレイナードFRB理事のハト派的な発言を受け、米国の早期利上げ観測が後退したことを材料に、序盤からドル売り・円買いが先行した。
(2)仲値公示後は、実需筋や一部の投機筋のドル買い・円売りが優勢となり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。また、20年債入札が無難な結果だったことで、ドル買い・円売りの動きが出た。ただ、ドル/円は、102円台では上値の重い動きとなった。なお、一連の中国経済指標は材料視されなかったが、中国国家統計局は依然多くの不透明要因があるとの認識を示した。
(3)欧州主要株価が比較的堅調な動きとなったことや、米債利回りの上昇を材料に、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。
(4)米国市場では、主要な経済指標の発表がなく、新規材料に乏しい中、米株価や原油価格の下落を背景に、やや上値の重い動きが見られたものの、米国の債券利回りの上昇を受けて、日米金利差拡大が意識され、ドル買い・円売りが続いた。
本日のトピックス
来週に米FOMCを控えていることから、米国の早期利上げ観測が後退したことが引き続き材料視される可能性もあるが、引き続きレンジ内の動きが考えられる。その中で東京市場では、日本の金融政策に関する報道や思惑で動きが出る可能性も考えられる。米国市場では、物価関連の米経済指標の発表が予定されおり、反応は限定的と考えられるが、来週にFOMCを控えていることもあり、やや結果に対して過敏に反応する可能性も考えられることから、結果には注目したい。
9/14の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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21:30 | 米国 |
8月輸入物価指数(前月比)
輸入物価指数は、輸入時の価格を指数化したものであり、特に、他の物価関連の指標と同様に国内のインフレ動向の先行指標の一つとして注目される経済指標。ただ、輸入時ということで、原油相場や為替相場の影響を受ける傾向にある。
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-0.1% | 0.1% |
前回は、市場の低下予想に反して5ヵ月連続でプラスとなり、特にエネルギー以外の品目が大きく値上がりし、原油などの値下がりをカバーした。今回は、前月よりも原油価格の平均値が低下していることが影響する可能性も考えられ、6ヵ月ぶりのマイナスが予想されている。プラスを維持できるのか、マイナスに低下するのかがポイントとなるが、反応は限定的だろう。 |
輸入物価指数は、輸入時の価格を指数化したものであり、特に、他の物価関連の指標と同様に国内のインフレ動向の先行指標の一つとして注目される経済指標。ただ、輸入時ということで、原油相場や為替相場の影響を受ける傾向にある。
本日のトレードポイント
ドル/円は、1時間足ベースで一目均衡表の雲を上抜けて、一段の上昇となった。ここから、更に上昇となるのか、又は反落となるのか注目したい。オシレーターのMACDでは、両線がゼロラインを上抜けて上向きだが、両線の乖離幅はやや縮小気味である。ここから先行するラインが下向きとなり、両線がクロスするようなら、軟調な動きとなる可能性も考えられる。その場合の下値は、@雲上限ライン Aサポートの102.06 B雲下限ラインとなる。Bを下抜ける場合には、101.42までの下げも想定しておきたい。上値のポイントは、レジスタンスの103.05となり、ここを上抜ける場合には、一段の上昇も考えられる。