前営業日トピックス
前週末の流れを引き継ぎ、序盤はやや軟調な動きとなったが、新規材料に乏しく、シンガポール市場が休場となる中、東京市場では狭いレンジ内の展開が続いた。そして、アジアや欧州の主要株価が下落したことから、投資家のリスク回避の動きが強まり、相対的に安全な通貨とされる円を買う動きが強まり、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。米国市場では、当局者の発言を受けて値を戻す動きが見られたものの、FOMCの投票権を持つブレイナードFRB理事の発言を控えて様子見ムードも出ており、限定的な動きが続いた。そして、ブレイナードFRB理事は、FOMCメンバーで最もハト派的とされているが、やはり発言がハト派的と受け止められたことから、ドル売りに反応した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)米国株の大幅続落など、先週末の流れを引き継ぎ、軟調な展開で始まった。その後、値を戻す動きとなったものの、シンガポール市場が休場となり、流動性が低下していることから、実需などの売買も手控えられ、もみ合いの展開が続いた。そして、日経平均株価が大きく下落したものの、反応は限定的だった。
(2)材料に乏しい中、欧州勢がドル売りで参入していることから、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。また、一部で米大統領選の民主党候補のヒラリー・クリントン前国務長官の健康に対する思惑もやや材料視された。
(3)米国市場では、序盤の米当局者(投票権なし)の発言を受けて動きが出たものの、米国の主要な経済指標の発表がないことや、FOMCの投票権を持つブレイナードFRB理事がブラックアウト期間を前にどのような発言をするのか注目されていたことから、やや値動きは限定的となった。そして、ブレイナードFRB理事の発言が、やはりハト派的だったことから、ドルが売られる動きとなった。
本日のトピックス
東京市場では、海外市場でのFRB理事の発言が引き続き材料視され、米国の金融政策の思惑が交錯する可能性が考えられる。また、中国の主要な経済指標の発表が予定されているが、最近はやや反応に乏しいものの、一応結果を受けた動きには警戒したい。米国市場では、主要な経済指標の発表がないことや、今日からFOMCのブラックアウト期間(来週のFOMCまで金融政策絡みの当局者の発言が規制されている)に入り、当局者の講演などもないことから、限定的な動きが予想される。そして、材料に乏しいことから、株価や原油価格の動きにいつも以上に敏感になる可能性も考えられる。
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート日足
ドル/円は、一目均衡表の雲下限近辺で上値の重い動きとなり、その後反落となった。また、方向性を示すとされる基準線が下向き継続となったことも影響した。そして、オシレーターのMACDでは両線がクロスしていることから、ここから両線の乖離幅が拡大し、ともに下向きとなるようなら、一段の下落も考えられる。目先の下値のポイントは、サポートの101.18となり、ここを下抜ける場合には、99.92が下値目標の計算値となることから注目したい。日柄的には、99.54−104.31のレンジ内の動きが続く場合、基準線は週末まで横ばいが続く。そして、週明けから上向きに転換することから、レンジ突破のチャンスは来週だろうか。