前営業日トピックス
東京市場では、日経平均株価が下落して始まったことに反応し、ドル円・クロス円は下落した。ただ、イエレンFRB議長の講演を控えて様子見ムードも強まっていることから、値動きは限定的となった。その後も、狭いレンジ内の動きが続いた。米国市場では、当局者の発言を受けて、多少の動きが見られたが、大きな動きとはならなかった。そして、イエレンFRB議長が講演で「米利上げの論拠は強まった」と発言したことを受けてドル買いとなった。しかし、時期に関して言及しなかったことがネックとなり、下落する動きも見られた。その後は年内の利上げの可能性が高まったとの見方が広がり、再びドル買いとなった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)日本の7月消費者物価指数は、市場予想を下回ったものの反応は限定的だった。ただ、日経平均株価が下落して始まったことには敏感に反応し、ドル円・クロス円はやや軟調な動きとなった。
(2)仲値公示近辺では、輸入企業のドル買い・円売りフローも見られ、ドル/円は反発する動きとなったものの、イエレンFRB議長の講演を控えて限定的な動きが続いた。
(3)米国市場では、米GDP改定値が速報値から下方修正されたことや、ハト派的な当局者の発言を受けてドル売り・円買いとなった。しかし、別の当局者のタカ派的発言を受けて上昇するなど、イエレンFRB議長の講演を意識した思惑が交錯する動きとなった。イエレンFRB議長が講演で利上げに意欲を表明したことを受けてドル買いとなったが、具体的な時期には言及しなかったことや、利益確定の動きなども影響し、下落する動きとなった。
(4)年内の利上げの可能性は高まったとの見方が広がったことや、米国債券利回りが上昇し、ドル買い、円売りが優勢となったこと、そしてフィッシャーFRB副議長が9月の利上げは可能との認識を示したことを受けて、ドルが大きく上昇した。
本日のトピックス
東京市場では、前週末の流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は堅調な動きも予想される。また、先週は、イベントを控えていたこともあり、実需の売買もやや手控えられていたことから、週明けで積極的な動きも考えられる。特に、月末を控えていることもあり、週央までは仲値公示近辺の動きには注目したい。米国市場では、注目されていたイエレンFRB議長の講演が終了したことで、今後の焦点は週末発表予定の米雇用統計に移っている。特に、週明けから主要な経済指標の発表もあることから、結果が利上げの期待感を左右する動きが考えられる。
8/29の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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21:30 | 米国 |
7月個人支出(前月比)
1ヶ月間に、耐久財(自動車や家電製品など)や、非耐久財(食品や衣料など)、サービス支出(外食・旅行など)において、実際に個人が消費支出した金額について集計した経済指標。
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0.3% | 0.4% |
前回は、市場予想を上回る結果となった。今回は若干の低下が予想されているが、前週末に発表された個人消費が堅調な結果となったことから、やや期待感もある。 |
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート日足
ドル/円は、日足ベースで一目均衡表の雲の下側で推移している。方向性を示すとされる基準線は下向き(横ばい含む)となっているが、来週には現行の103.13から102.52(9月1日)まで低下し、9月5日には101.18まで下落する。そして、基準線を上抜ける動きとなるようなら、一段の上昇となる可能性もあることから、注目したい。オシレーターのMACDでは、両線がクロスして乖離幅が拡大していることから、拡大が続く場合には堅調な動きが続くシグナルとなる。