前営業日トピックス
東京市場では、海外市場の軟調な流れが一服し、序盤は値を戻す動きが先行した。また、円高が製造業の採算を悪化させるとの思惑も円売りを加速させた。午後には、株価が下げ幅を拡大する動きとなったことから、リスク回避の動きも見られ、再び円が買われる動きとなった。その後、100円台での値頃感からの買い戻しや、当局者、政府要人の発言などもあり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。米国市場では、雇用関連の経済指標が予想を上回る結果となったことや、株価や原油価格が上昇したこともあり、堅調な動きとなった。ただ、米雇用統計を控えてやや限定的な動きとなった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)海外市場の下落が一服し、序盤は値を戻す動きが先行した。円売り介入への警戒感に加え、実需筋のドル買いも観測され、仲値公示近辺にかけてドル買いが優勢となった。仲値通過後は、やや上値が重くなる場面もあった。
(2)午後に入り、日経平均株価が下げ幅を拡大する動きとなったことや、日本の金融政策の先行き不透明感が広がっていることも投資家心理を圧迫し、リスク回避の動きが強まった。
(3)100円台後半では、利益確定のドル買い戻しや、値頃感の買いも入り、反発となった。その後、浅川財務官が「為替の投機的な動きが今後活発化しないよう緊張感もって注視し、必要な場合はしっかり対応する」と発言したことや、安倍首相が最優先課題は経済であり、政府・日銀一体で政策総動員でデフレ脱却に取り組むと発言したことも材料視された。
(4)米国市場では、ADP雇用統計が予想を上回る結果となったことから、ドル買いも見られたが、反応は限定的となった。ただ、原油価格の上昇や、米国債券利回りの上昇を受けて、ドル買いが優勢となった。しかし、株価が反落する場面があったことや、米雇用統計を控えて様子見ムードも出ており、終盤には上値の重い動きとなった。
本日のトピックス
東京市場では、日本の主要な経済指標の発表がないことや、英国の金融政策発表や週末の米雇用統計の発表を控えて、様子見ムードも強まりつつあり、限定的な動きが予想される。また、海外市場では、株価が小動きとなったことから、日本市場でも日経平均株価などが小動きとなる可能性も予想されている。そして、英国の政策金利発表では、2009年以来の利下げが予想されている。利下げとなれば、ポンド売りに反応する可能性もあるが、ある程度織り込まれていることから、値を戻す可能性も想定しておきたい。また、米国市場では、雇用統計を控えて様子見ムードも強まる可能性が考えられる。ただ、原油価格や株価の動き次第では動きが出る可能性もあるだろう。
8/4の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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20:00 | 英国 |
英中銀MPC 金融政策発表
金融政策委員会(MPC 〜Monetary Policy Committee)は、イングランド銀行に設置されている委員会であり、総裁、副総裁(2名)、チーフ・エコノミスト、エグゼクティブ・ディレクター、4名の外部委員からなる9名の委員で構成されている。毎月上旬に開催され、政策は木曜日の会合後に発表を行う。
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0.25% | 0.50% |
先月のMPC(金融政策委員会)で英経済を支えるための措置を打ち出すことが示唆されており、マーケットでは、0.25%の利下げが予想されている。ある程度織り込まれていると考えられるものの、発表直後は利下げ決定のインパクトから一段の下落も考えられる。ただ、利下げによる英経済の改善に対して期待が膨らむ可能性もあり、下値は限定的となる可能性も考えられる。 | ||||
21:30 | 米国 |
新規失業保険申請件数
労働省が失業保険を申請した人(失業者)の数を毎週発表する経済指標。毎週(木曜日)発表されるため、雇用情勢の速報性に優れており、雇用統計の先行指標として注目されている。ただ、米国の祝祭日や天候などの影響を受けやすいという点もある。
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26.5万件 | 26.6万件 |
前回は、市場予想を上回る結果となり、4週間ぶりの26万件台となった。今回は、ほぼ前回と同水準が予想されているが、米雇用統計を控えて結果に敏感に反応する可能性も考えられることから注目したい。 |
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート1時間足
ユーロ/ドルは、一目均衡表の雲を下抜けて一段の下落となった。その後、小動きの展開が続いているが、ここから値を戻す動きとなるのか、更に一段の下げとなるのか注目したい。オシレーターのMACDでは両線の乖離幅が縮小しており、先行するラインが上向きになりかけている。ここから両線がクロスするようなら、値を戻す動きとなる可能性も考えられる。その場合、目先のレジスタンスを上抜ければ雲下限近辺までの上昇も考えられる。また、サポートの1.1140を下抜ける場合には、一段の下げとなる可能性も想定しておきたい。