前営業日トピックス
東京市場では、英国のEU離脱に対する不安感が高まっていることを背景に、リスク回避ムードが強まり、序盤から安全資産とされる円を買う動きが優勢となった。また、日経平均株価が大きく下落し、前週末比500円以上の下落となったことや、アジアの主要株価が大きく下落したことも影響し、ドル円・クロス円は軒並み大幅下落となった。その後、値頃感から買い戻しの動きが見られたものの、上値の重い動きが続いた。米国市場では、主要な経済指標の発表もなく、新規材料に乏しい中、欧米の株価下落を受けて、序盤は軟調な動きとなった。その後、円売り優勢となり、ドル円・クロス円は上昇する場面もあった。しかし、英国の国民投票に関する世論調査の結果を受けて、英国のEU離脱に対する不安が再び高まり、円を買い戻す動きとなった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)英国のEU離脱リスクに対する不安感が材料視され、ポンドが大きく下落となり、リスク回避の動きから安全資産とされる円を買う動きが優勢となった。また、日経平均株価が500円以上の大幅下落となったことも影響した。また、中国の主要な経済指標は、ほぼ市場予想通りの結果となったことで、反応は限定的だった。
(2)下げ一巡後は、値頃感の買い戻しも見られたものの、上値は限定的となり、欧州株の大幅下落を受けて、再び軟調な動きとなった。ここまでドル/円は今年5月3日以来、ポンド/円は2013年8月以来、ユーロ/円は2013年2月以来の安値をそれぞれ付ける動きとなった。
(3)短期筋の円売りが優勢となり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。また、米主要株価がプラス圏に上昇し、リスク回避の動きが和らいだことも円売りを加速させた。
(4)株価が再びマイナス圏に下落したことや、英調査会社の世論調査で、EU離脱派がリードを広げたとの報道を受けて、再び英国のEU離脱懸念が高まり、円買いが優勢となった。ただ、午後に入ると、小動きの展開が続いた。
本日のトピックス
東京市場では、前日大きく下落した株価の動きに注目したい。昨日のアジア市場では、ドル円・クロス円が安値を付け、海外市場では値頃感の買い戻しも見られたものの、上値の重い動きとなっている。再び、円買いの動きとなるのか、底固い動きとなるのか、見極めたい。特に、新規材料に乏しい中では、株価の動きに敏感に反応することから、株価動向には注目したい。また、英国の世論調査の結果には、過敏に反応することを特に注意したい。米国市場では、主要な経済指標の発表が予定されているが、本日からFOMCが始まる(政策発表と議長の会見は15日)ことから、様子見ムードが強まり、反応は限定的と考えられる。ただ、予想外の結果となるようなら動きが出る可能性もあるだろう。
6/14の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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21:30 | 米国 |
5月小売売上高(前月比)
米国商務省が百貨店やスーパーの売上調査を基にして発表している指標である。個人消費はGDPの約70%を占めており、小売売上高は個人消費の動向を見る上で重要な経済指標の一つであり、米国経済に与える影響も大きいため注目されている。
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0.3% | 1.3% |
前回は、市場予想を大きく上回り、2015年3月以来の高水準となった。今回は、前回の大きな伸びの反動で伸び幅は縮小するとの予想となっている。そして、大きな伸びの後には大きな低下となるケースも多く、注目したい。再びマイナスの伸びとなる様なら、反応もやや大きくなる可能性もあるだろう。 |
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート1時間足
ポンド/円は、2013年8月以来の安値を付け、その後上昇したものの、一目均衡表の基準線近辺で上値の重い動きが続いている。オシレーターのMACDでは、両線の乖離幅が縮小し、先行するラインがやや失速している。ここからクロスして下向きとなり、ポンド/円の一段の下落となるのか、乖離幅が拡大して両線上向き継続となり、雲下限ラインを目指すのか注目したい。下値のポイントは、重要サポートの149.46、上値は一目均衡表の雲下限ライン、レジスタンスの152.37が重要なポイントとなる。