前営業日トピックス
東京市場では、日経平均株価が軟調な動きとなったことを受けて、円買いが優勢となった。その後、中国の輸入統計が改善したことや、日経平均株価が上昇に転じたことを受けて、ドル/円は堅調な動きとなったが、上値の重い動きとなった。米国市場では、新規材料に乏しい中、米債券利回りが低下したことを受けて、円買いが優勢となり、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。その後は、値頃感の買い戻しもあり、終盤にかけて値を戻す動きとなった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)上昇して始まった日経平均株価が下落に転じたことから、円買いが先行した。また、三菱東京UFJ銀行が国債の入札に特別な条件で参加できる資格を国に返上する方向で調整に入ったとの報道も反応は限定的だった。
(2)中国貿易統計で、輸入が市場予想の-6.8%を大きく上回る-0.4%となり、前回の-10.9%から大きく改善したことや、株価が堅調な動きとなったことから、円売りが優勢となる場面もあった。ただ、欧州株が下落したこともあり、上値の重い動きとなった。
(3)米国市場では、米債券利回りの低下が続いたことから、日米金利差縮小が意識され、ドル売り・円買いが優勢となった。米JOLT労働調査[求人件数]は過去最高に並んだものの、反応は限定的となった。
(4)売り一巡後は、値頃感の買い戻しや、原油価格、株価の堅調な動きもあり、ドル円・クロス円は値を戻す動きとなった。
本日のトピックス
東京市場では、日本の機械受注の発表に加えて、中国の消費者物価指数の発表が予定されていることから、結果に注目したい。その結果を受けて株価に動きが出るようなら、為替市場にも影響する可能性もあるだろう。海外市場では、積極的にドルを売ったり買ったりする動きが戻るとは考えにくく、まだ時間を要するだろう。そして、米国市場では、主要な経済指標の発表が予定されているものの、結果を受けて動きが出る可能性は少なく、引き続き株価や原油価格、米債券利回りの動きに左右される2次的な動きとなるだろう。やはり、来週のFOMCの結果(追加利上げ見送り)を既に織り込んでいる(金利先物市場では利上げ確率ゼロの水準で推移)ことから、これが覆されるような場合や、FOMC後の材料出尽くしで、新たな目標が定まるまでは動きにくい状況だろう。
6/9の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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21:30 | 米国 |
新規失業保険申請件数
労働省が失業保険を申請した人(失業者)の数を毎週発表する経済指標。毎週(木曜日)発表されるため、雇用情勢の速報性に優れており、雇用統計の先行指標として注目されている。ただ、米国の祝祭日や天候などの影響を受けやすいという点もある。
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27.0万件 | 26.7万件 |
前週は、市場予想を下回り、3週連続で改善となった。また、ほぼ1ヵ月ぶりの低水準となり、慎重ながらも楽観できる状況といえるだろう。今回は、若干の増加が予想されているものの、大きな影響はないだろう。ただ、前週の雇用統計が悪化しただけに、やや雇用関連の指標には敏感に反応する可能性もあることから、一応注意はしておきたい。 | ||||
23:00 | 米国 |
4月卸売在庫(前月比)
製造業、卸売業、小売業の各業種の在庫状況を表す指標であり、各業種別に耐久財と非耐久財に分けて発表される。
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0.1% | 0.1% |
前回は、市場予想と一致する結果となり、6ヵ月ぶりのプラスとなった。石油製品や農産物が伸びたことが全体を押し上げる要因となった。また、同時に発表された卸売売上高は予想を上回る結果となり、こちらも6ヵ月ぶりのプラスとなった。今回は一段の改善が予想されており、生産者側の改善が進んでいることが示されるのか注目したい。 |
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート1時間足
ドル/円は、一目均衡表の雲下限を下抜けて軟調な動きが続いている。現状では、トレンドラインを上抜ける動きも見られ、ここから再び雲上抜けをトライするのか、雲下側で上値の重い動きが続くのかを見極めたい。目先の上値のポイントは、雲下限ラインの107.18近辺から、レジスタンスの107.27近辺と考えられる。ここを上抜けて、雲上限も完全に上抜けるようなら、一段の上昇も考えられる。下値のポイントは、重要サポートの106.58、ここを下抜ける場合には一段の下げも想定しておきたい。その場合、目先の下値目標の計算値は106.39となる。