前営業日トピックス
東京市場では、序盤小動きの展開となったが、日本の貿易黒字が予想を上回る結果となり、円が買われる動きとなった。また、日経平均株価が下落して始まり、一時前週末比で300円以上の下落となったことも円買いを後押しした。その後、株価が下げ幅を縮小する動きとなったことから、ドル円・クロス円は値を戻す動きも見られたが、欧州主要株価が下落したことや、原油価格の下落も影響して、一段の下げとなった。海外市場では、米国の主要な経済指標の発表がなく、新規材料に乏しい中、ドル円・クロス円は小動きの展開が続いた。ただ、ドルは主要通貨に対して一段の下落となり、ドル/円ももみ合いから下落する動きとなった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)先週末のG7財務相・中央銀行総裁会議は材料視されず、序盤から小動きの展開となった。そして、日本の貿易収支が市場予想を大きく上回る黒字(8235億円の黒字、予想は4928億円の黒字)となったことで、今後輸出企業がドルを円に替えるとの思惑などもあり、円買いが進んだ。
(2)300円以上、下落した日経平均株価が下げ幅を縮小する動きとなったことから、ドル/円も値を戻す動きとなったものの、欧州株安や原油安が嫌気され、一段の下げとなった。
(3)米国の経済指標の発表もなく、材料に乏しい中、ドル円・クロス円は終盤まで小動きの展開が続いた。ただ、ドルは主要通貨に対して下落する動きとなり、ドル/円も一段の下げとなった。
本日のトピックス
東京市場では、日本の主要な経済指標の発表が無く、新規材料に乏しい中、やや限定的な動きが考えられる。ただ、株価の動きや仲値公示近辺の動きには注意したい。海外市場では、ドイツのGDP、米国の住宅、製造業関連の経済指標の発表が予定されており、結果には注目したい。特に、米国の経済データ改善に繋がるような結果となる場合には、早期利上げが意識される可能性も考えられる。ただ、月初に付けた安値から堅調な動きとなり、110円台を付けたことによる一旦の達成感から利益確定の円買い戻しの動きも見られることから、フローによる下押しの動きにはやや注意したい。
5/24の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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23:00 | 米国 |
4月新築住宅販売件数(前月比)
米国内で販売された新築住宅件数(売買契約締結時点)を集計した経済指標であり、地域別の販売件数や販売価格、一戸建やコンドミニアム、集合住宅を含めた数字も発表されている。そして、景気動向の先行を見る上で注目されている指標の一つである。
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52.1万件 | 51.1万件 |
前月は、3ヵ月連続のマイナスとなり、特に各地域が前月から伸びたものの、西部が大きく低下したことが全体を引き下げる要因となった。ただ、全般的に住宅販売は大台の50万件を上回る伸びが続いており順調と言える。今回は、改善が予想されており、予想を下回る結果となった場合にも、大台割れとならなければネガティブな見方にはならないだろう。 | ||||
23:00 | 米国 |
5月リッチモンド連銀製造業指数
米国の12連邦準備銀行の1つであるリッチモンド地区連銀が発表している製造業指数。1993年から算出が開始されており、NY連銀、フィラデルフィア連銀が発表する指数と合わせて製造業の景況を確認できる。管轄はウェストバージニア州、サウスカロライナ州、ノースカロライナ州、バージニア州、メリーランド州、ワシントンDCなど。管轄地域は米国内生産の9.1%を占める。
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8 | 14 |
前々回が市場予想に反して大きな上昇となった反動で前回は低下となった。今回も低下が予想されているが、景気の判断基準とプラスが維持されれば、それほどインパクトは大きくならないだろう。ただ、再びゼロ以下になる場合には注意したい。 |
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート1時間足
ドル/円は、軟調な動きが続いているが、ここから値を戻す動きとなるのか、一段の下げとなるのか注目したい。オシレーターのMACDでは、両線の乖離幅が縮小しており、ここからクロスして上向きに転換する場合には、反転のシグナルとなる。その場合には、38.2%、50%、61.8%がポイントとなる。一方、サポートの109.11を完全に下抜ける場合には、一段の下げとなる可能性も想定しておきたい。また、11時(±2時間)は、それまでの流れの転換・加速の可能性が高まる時間帯であることから、相場の方向性の変化にも注目したい。