前営業日トピックス
東京市場では、海外市場終盤の流れを受けて、小動きの展開で始まった。序盤に発表された日本のGDPが上方修正されたことを受けて、株価が上昇するとの思惑から一時上昇した。しかし、日本や中国の株価が下落となり、下げ幅を拡大する動きとなったことから、ドル/円は112.70台まで下げる動きとなった。その後、中国の貿易収支が市場予想を下回ったものの、悪化を織り込んでいたことから、反応は限定的となった。そして、午後には株価が下げ幅を縮小したことから、ドル円・クロス円は値を戻す動きとなったものの、上値の重い動きが続いた。海外市場では、序盤は小動きの展開が続いたが、原油価格が急落したことを受けて、リスク回避の動きが強まり、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)日本の10-12月期GDP確報値が速報値から上昇修正されたことを受けて、株価が堅調な動きとなるとの思惑から円売り・ドル買いが先行した。
(2)中国の貿易統計が悪化するとの予想を受けて、発表前から警戒感が高まっており、日経平均株価や中国株価が下落するなど、リスク回避の動きが強まっていた。
(3)中国の貿易収支が予想以上に悪化したものの、織り込み済みだったこともあり、発表直後の反応は限定的となった。また、前日比341円安まで下落した日経平均株価が約300円下げ幅を縮小する動きとなったことを受けて、ドル/円は反発した。ただ、引き続き中国経済の懸念は残っているとの見方もあり、反落する動きとなった。
(4)海外市場序盤は、小動きの展開が続いた。米国市場では、2ヵ月ぶりの高値を付けた原油価格が下落に転じ、下げ幅を拡大する動きとなったことを受けて、資源国通貨を中心に下落となり、リスク回避の円買いが優勢となった。
本日のトピックス
昨日は、2ヵ月ぶりの高値を付けた原油価格が一転して急落となった影響で、ドル円・クロス円は軟調な動きとなるなど、引き続き原油価格の動きに左右される動きとなった。為替市場では、ECB理事会や、来週のFOMCを控えて、積極的な売買を手控える展開も考えられる。特に、本日は主要な経済指標の発表が少ないことから、限定的な動きも予想される。しかし、原油価格や株価が大きく動く場合には、その影響を受けて値動きが荒くなる可能性も考えられる。特に、本日は米国の石油在庫統計の発表が予定(0時30分)されており、それによって原油価格が動く可能性も考えられることから、結果には注目したい。
3/9の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
---|---|---|---|---|
0:00 | 米国 |
1月卸売在庫(前月比)
製造業、卸売業、小売業の各業種の在庫状況を表す指標であり、各業種別に耐久財と非耐久財に分けて発表される。
|
-0.2% | -0.1% |
前回は、市場予想を上回る結果となったものの、3ヵ月連続のマイナスとなった。特に、耐久財は4ヵ月連続のマイナスが続いており、これが全体を押し下げている。また、同時に発表される売り上げも3ヵ月連続のマイナスが続いており、売り上げが回復しなければ米景気の改善にはつながらない。 | ||||
0:00 | カナダ |
政策金利発表 |
0.50% | 0.50% |
前回は、市場の予想通り金利は据え置きとなったが、声明で「インフレリスクは概ね均衡が取れている」との声明を受けてカナダドルが大きく上昇し、カナダドル/円は1.4円以上の上昇となった。政策金利は、昨年7月から据え置きが続いているが、毎回声明を受けて動くケースが続いていることから、声明の内容に注目したい。 |
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート1時間足
ドル/円は、一目均衡表の雲を下抜けてから軟調な展開が続いている。現状のもみ合いから、レジスタンスの112.74を上抜け、トレンドラインも上抜ける動きとなる場合には、雲下限ラインを目指す可能性が考えられる。ただ、サポートの112.43を下抜ける場合には、一段の下げとなる可能性も考えられる。