前営業日トピックス
前日の海外市場では、イエレンFRB議長の議会証言での発言を受けて、3月の利上げの可能性が後退したとの見方が広がり、ドル売り・円買いが優勢となった。そして、東京市場が休場だったことから、新規材料に乏しく、前日の海外市場の流れを引き継ぎ、アジア市場でも軟調な動きが続いた。また、アジア株が下落したことも影響して、ドル/円は軟調な動きが続いた。海外市場では、欧州株が大きく下落して始まったことから、リスク回避の円買いが強まり、ドル/円は一段の下落となった。その後、日銀の介入の噂から急反発したものの、真偽は明らかとはならず、その後は大きく下落した株価動向から軟調な動きとなった。ただ、終盤には株価が下げ幅を縮小する動きとなったことから、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)前日の海外市場の流れを受けて円買いの流れが継続。また、アジア市場の株価下落も影響した。海外市場序盤は、欧州株が大きく下落して始まったことから、ドル/円は2014年10月以来の安値を付けた。
(2)日銀介入との噂が流れ、円売りが加速し、ドル/円は111.50から113.13まで急騰。政府関係者は、為替介入の有無についてノーコメント。
(3)NYダウが400ドル以上の下落となったことを受けて、軟調な動きとなったが、111円台では介入の噂もあったことから、突っ込み難く底固い動きとなった。
(4)UAEのエネルギー相のOPECは減産で協調する用意があるとの発言が報道され、原油価格が上昇し、株価も下げ幅を大きく縮小、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。
本日のトピックス
前日の海外市場では、日銀の介入の噂が流れたことを受けて、ドル/円は1円50銭以上の急反発となった。政府関係者は、介入の有無に関してノーコメントだった。当然のことながら、急速な円高となっていたことから、噂を否定すれば急反落、肯定すれば一段の上昇となった可能性もあった。しかし、一夜明けたらそういう訳にはいかないだろう。そのため政府関係者、当局者の発言には特に注意したい。その内容によっては、大きく動く可能性もあるだろう。また、海外市場で株価が大幅下落となったことから、休場明けの日本市場の動きにも注意したい。それをこなせば、大きく動いた後の週末であることから、限定的な動きも予想される。海外市場では、特に顕著にその傾向が出る可能性が予想される。ただ、原油や株価の動き次第では、荒い動きとなる可能性も想定しておきたい。
2/12の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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22:30 | 米国 |
1月小売売上高
米国商務省が百貨店やスーパーの売上調査を基にして発表している指標である。個人消費はGDPの約70%を占めており、小売売上高は個人消費の動向を見る上で重要な経済指標の一つであり、米国経済に与える影響も大きいため注目されている。
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0.1% | -0.1% |
前回は、3ヵ月ぶりのマイナスに落ち込み、通年で+2.1%(前年+3.9%)と景気拡大局面でも低い伸びとなった。昨年の年末商戦が低迷したことが示される結果となった。今回は、プラスに改善が予想されているが、マーケットの期待感はやや薄い。マイナスが続く可能性も想定しておきたい。 | ||||
0:00 | 米国 |
2月ミシガン大学消費者信頼感指数
ミシガン大学が消費者にアンケート調査を行い、現況指数(現在)、期待指数(将来)など消費者マインドを指数化した経済指標である。速報は300人、確報は500人を対象に調査を実施し、1964年の指数を100として算出する。コンファレンス・ボード(CB)が発表する消費者信頼感指数と共に消費者マインドを見る上で重要な経済指標である。
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92.0 | 92.0 |
前回は、予想外の低下となった。エネルギー価格の下落は、消費者にとっては好材料だが、株価が大きく下落(約2000ドル、約11%)したことが影響したと考えられる。2月速報値は1月確定値から若干の改善が予想されているが、2月上旬に値を戻した株価が再び下落していることから、期待は小さいだろう。 |
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート1時間足
ドル/円は、一目均衡表の基準線・転換線の下側での展開が続いていたが、直近で価格が両線を上抜けている。また、オシレーターのMACDでは、両線がクロスして上向き継続中で乖離幅も拡大傾向となっている。このことから、目先レジスタンスの113.13を上抜ける場合には、雲近辺までの上昇も考えられる。そして、雲を上抜けるようなら、一段の上昇となる可能性も想定しておきたい。一方、再びサポートを下抜けるようなら一段の下げも想定しておきたい。