前営業日トピックス
東京市場では、前日の米国市場の株価下落の影響を受けて、日経平均株価が大きく下落したことから、投資家のリスク回避の動きが強まり、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。しかし、午後には、中国上海株がプラス圏まで値を戻したことや、日経平均株価が下げ幅を縮小する動きとなったことを受けて、リスク回避の動きも後退し、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。海外市場では、欧州の主要株価が大きく下落する動きとなったことから、再び円買いが強まった。米国市場では、米経済指標が悪化したこともあり、ドル/円は軟調な動きとなった。その後、一時マイナス圏まで下落した株価が急反発したことや、米長期債利回りが上昇したことを受けて、ドル/円は堅調な動きとなった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)前日の米株価や日経平均株価の下落を受けてリスク回避の動きが優勢となる。なお、人民元の基準値は元高方向に設定されたことから、ドル買いに反応する場面もあったが、反応は限定的だった。また、117.30近辺では、本邦実需筋の買いも散見され、底固い動きとなった。
(2)上海株プラス圏に上昇したことや、日経平均株価が下げ幅を縮小する動きとなったことから、リスク回避の動きも後退し、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。
(3)欧州株が軒並み大幅下落となり、再び円が買われる動きとなった。米国市場では、失業保険申請件数が悪化したことや、輸入物価指標が6ヵ月連続のマイナスとなったこと、また米株価が下落したことから、軟調な動きとなった。
(4)米株価が急反発となったことや、米長期債利回りが上昇したことで、日米金利差拡大が意識され、ドル買い・円売りが優勢となった。
本日のトピックス
今週は、中国人民銀行による人民元の基準値設定、中国株、原油価格の動向などにマーケットの関心が集まっており、これらの発表や動きに左右される展開が続いている。そのため、本日もそれぞれの動向には注意したい。また、週末で五十日(ごとおび)であることから、本邦企業の動きにも注目が集まっており、仲値公示近辺の動きにも注目したい。米国市場では、主要な経済指標の発表が予定されているが、今週は指標結果よりも株価や原油価格、長期債利回りがより注目されていることから、他のマーケットの動きにも注目したい。
1/15の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
---|---|---|---|---|
22:30 | 米国 |
1月ニューヨーク連銀製造業景気指数
NY州の製造業の景況感などを指数化した経済指標である。 製造業に関連した新規受注・雇用・在庫など、指数化された数値が発表される。数値はゼロが景況の判断の基準となる。 |
-4.00 | -4.59 |
前回は、5ヵ月連続のマイナスとなり、引き続き製造業の景況感の悪さが示された。今回もマイナスが予想されているものの、徐々に改善が見られることから、予想通りマイナスとなった場合でも反応は限定的だろう。ただ、再び悪化する場合や、プラスに転換となる場合には、敏感に反応する可能性も考えられる。 | ||||
22:30 | 米国 |
12月小売売上高(前月比)
米国商務省が百貨店やスーパーの売上調査を基にして発表している指標である。個人消費はGDPの約70%を占めており、小売売上高は個人消費の動向を見る上で重要な経済指標の一つであり、米国経済に与える影響も大きいため注目されている。
|
-0.2% | 0.2% |
前回は、5ヵ月ぶりの高水準となった。感謝祭後の商戦が堅調なスタートだったことが好感された。今回は、マイナスが予想されているものの、年末商戦が比較的に堅調だったことや、ドルの下落などを背景に、輸入物価も低下していることが寄与されればプラスとなる可能性も。 | ||||
23:15 | 米国 |
12月鉱工業生産(前月比)
鉱工業関連の生産動向を指数化したものであり、2002年を100として数値が算出され前月比で発表される。GDPに占める鉱工業部門の割合が約20%程度であることから重要な経済指標である。
|
-0.2% | -0.6% |
前回は、3ヵ月連続のマイナスとなった。やはり、製造業の停滞や、耐久財の減産が影響する結果となった。引き続き、製造業の停滞が予想されており、マイナスが予想されている。 | ||||
0:00 | 米国 |
1月ミシガン大学消費者信頼感指数
ミシガン大学が消費者にアンケート調査を行い、現況指数(現在)、期待指数(将来)など消費者マインドを指数化した経済指標である。速報は300人、確報は500人を対象に調査を実施し、1964年の指数を100として算出する。コンファレンス・ボード(CB)が発表する消費者信頼感指数と共に消費者マインドを見る上で重要な経済指標である。
|
92.9 | 92.6 |
前回は、速報値も上回り、3ヵ月連続の上昇となった。原油安やドル安を背景とした物価下落が消費者マインドを押し上げる可能性も考えられる。今回発表の速報値は前月確報値からの上昇が予想されている。 |
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート1時間足
ドル/円は、一目均衡表の雲近辺でもみ合いが続いている。ただ、トレンドライン近辺では上値の重い動きとなり、上値が抑えられていることから、このライン近辺の動きに注目したい。また、レジスタンス、サポートをトライする場合にも注意したい。そして、オシレーターのMACDでは、ローソク足の本数の少ないもみ合いでは有効なシグナルが出にくいことから、より短期の動きに対応できるストキャスティクスなどを参考にしたい。