前営業日トピックス
東京市場序盤は、日銀の金融政策発表と、黒田総裁の会見を控えて様子見ムードも強く、小動きの展開が続いた。政策発表では、量的・質的金融緩和の補完的措置を決定したことを受けて、円安・株高に反応した。しかし、緩和策の拡大ではなく、資産購入の技術的な調整にすぎない。日銀が大規模緩和の強化策を発表したことで、当面は追加緩和がないとの見方が広がり、一転して円買戻し・株売りが優勢となった。海外市場では、年内最後の重要イベントが終了したことから、限定的な動きが続いた。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)日銀政策発表を控えて様子見ムードが強まり、序盤から小動きの展開が続いた。そして、発表が通常よりやや遅れたことから、思惑が交錯して動意付く場面もあった。そして、国債購入の平均残存期間を来年から延長するとのヘッドラインを受けて、ドル高・円安が進行。また、ETFの買い入れ枠を設定するとの方針も伝わり、日経平均株価が大幅上昇。
(2)日銀が大規模緩和の強化策を発表したことで、当面は追加緩和がないと受け止められ、市場に失望が広がったことなどから、円を買い戻す動きが加速し、株価の下落にもつながった。
(3)米国市場では、主要な経済指標の発表もなく、重要なイベントが終了したことから、限定的な動きが続いた。
本日のトピックス
今週は、海外市場のクリスマス休暇を控えていることや、年内最後の重要イベントであった先週の日米の金融政策発表を終えていること、また重要な経済指標の発表もないことから、やや限定的な動きが予想される。ただ、先週末に国内外の株価が大きく動いたことから、その反動などが出る可能性もあるだろう。特に、週明けの東京市場の動きに注目したい。また、為替市場では、週前半は年内最後の実需のフローが出ることも予想されることから、仲値近辺の動きにも注意したい。
12/21の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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22:30 | 米国 |
11月シカゴ連銀全米活動指数
企業の生産や雇用など国内の経済活動に関する85の指数を加重平均。ゼロで歴史的水準、プラスで平均以上、マイナスで平均以下の成長傾向を示す。
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0.10 | -0.04 |
直近3ヵ月は、連続で市場予想を下回る結果となった。今回は、プラスへの改善が予想されている。マーケットへの影響度はそれほど大きいものではないが、一応注意しておきたい。 | ||||
0:00 | ユーロ圏 |
12月消費者信頼感
ユーロ圏における個人消費者の消費動向、雇用状況、所得などに対する消費者マインドを指数化したもので、欧州委員会より発表される。
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-5.9 | -5.9 |
前回は、予想を上回る結果となり、緩やかながら改善が見られた。今回は、横ばいが予想されている。ユーロ圏の景況感では、消費者信頼感、小売業信頼感、建設業信頼感の改善が見られるが、製造業、サービス業の信頼感はやや悪化している。 |
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート1時間足
ポンド/円は、日足ベースで一目均衡表の雲を下抜けて一段の下げとなっている。目先、重要な下値サポートである180.44を下抜ける場合には一段の下げとなる可能性も考えられる。オシレーターのMACDでは、両線の乖離幅が拡大しており、ここから更に拡大するようなら、軟調な流れが継続する可能性も考えられる。上値のポイントは、レジスタンスの182.14となり、ここを上抜けるようなら一旦値を戻す動きも考えられる。目先のポイントに注目したい。