前回のFOMC声明文(3月からの変更点)
(1)経済見通しの上方修正と一時的なインフレの上昇
・ワクチン接種の真只中にあること ・経済活動と雇用が強くなったとの表現に上方修正
・感染による悪影響を受けたセクターは弱いが、全般的に改善を見せたと上方修正
・インフレ率は上昇したが、主に一時的要因によるものとの文言を追加
・経済評価の上方修正、一時的なインフレ上昇強調
・パンデミック危機が重石になる要素から「雇用」「インフレ」を削除、経済見通しへのリスク度合いの「considerable」という文言を削除
・前回のパウエルFRB議長の会見
(1)テーパリングについてまだ議論すら開始していないと真っ向から否定
(2)4月半ばのNY株式市場の下落の一因となったアルケゴス関連などについて「株式には市場のフロスを反映している部分がある」と発言したことを受けNY株式市場ではFOMC直後 の上昇を吐き出す結果となり、リスク回避を受けて米長期金利は低下
今回のFOMCの注目点(現状の金融緩和策継続を決定すると予想されるものの・・・)
(1)経済見通し、インフレ見通しなどの発表が3月時点からどの程度修正されるか?
- ※出所:SBIリクイディティ・マーケット
(2)来年2022年のインフレ見通しに注目。2021年のインフレ見通しは3月時点から上方修正されると予想されるものの、インフレの上昇が一時的との従来の発言の整合性の観点から2022年のインフレ率の見通しは横ばいもしくは下方修正される可能性もあるかもしれません。一方で複数の委員からインフレ率の上昇への警戒が示されることになれば予想中央値は3月時点の2.0%から上方修正される可能性もあり、テーパリング(量的緩和の縮小)議論開始の必要性が高まることにつながるかもしれません。テーパリングの議論をいつ頃から開始し、いつ頃から実施するかを見極めるためヒントとして、パウエルFRB議長の会見に対する注目度が増すかもしれません。
(3)超過準備の付利金利(IOER)の引き上げの可能性に言及するか?
(4)米労働市場に関し、感染により失職した 2,236.2万人の内、762.9万人が依然として復職できていないこと、失業率も感染拡大前の3.0%台前半と比べ5.8%と高い水準にあるのが現状。労働市場の改善がさらに加速するのかを見極める必要があり、インフレ率の上昇は一時的との見解に基づけばテーパリング議論は時期尚早との見解が繰り返される可能性もあるとの予想も多く聞かれます。しかし、ワクチン接種の加速や学校の再開による就業者の増加も期待されるだけに労働市場の先行きに前向きな見通しが示されるか注目。
- ※出所:SBIリクイディティ・マーケット
テーパリング議論開始はいつ?
市場の一部からは 8月26日のジャクソンホール・ シンポジウムでテーパリングの開始を示唆するとの観測も聞かれますが、失業保険給付の上乗せ期限が失効するのが9月末。そのため9月の雇用統計での就業者数が増加する可能性もあり、10月8日に発表される9月雇用統計を見極めるまでテーパリングの議論が行われない可能性も。9月FOMC(9月21-22日)時点では9月の雇用統計に間に合わないものの、来年中のテーパリング実施、2023年の利上げに向けての地ならしのためには遅くとも年内(11月2-3日、もしくは12月14-15日)に議論されると見られています。
こうした観点から今週のFOMCでは従来通りの政策や声明が踏襲されることになると見られますが、インフレ見通し(2022年、2023年)が上方修正された場合、テーパリング議論開始が早まる可能性もあるかもしれません。それだけにFOMC後に米長期金利の反応とともにドルが対主要通貨で上昇するのか下落するのか注目されます。
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