米9月雇用統計 (非農業部門雇用者数前月比/失業率 等) |
発表時間: |
10/4(金)21:30(日本時間)
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前回値: |
+13.0万人 / 3.7% |
事前予想: |
+14.5万人 / 3.7% |
米9月雇用統計 予想を確認!
4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月予想 | |
非農業部門 雇用者数(万人) | 21.6 | 6.2 | 17.8 | 15.9 | 13.0 | 14.5 |
失業率(%) | 3.6 | 3.6 | 3.7 | 3.7 | 3.7 | 3.7 |
時間給賃金 前月比(%) | 0.2 | 0.3 | 0.2 | 0.3 | 0.4 | 0.3 |
時間給賃金 前年比(%) | 3.2 | 3.1 | 3.1 | 3.3 | 3.2 | 3.2 |
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※出所:SBIリクイディティ・マーケット
※市場予想は9/30現在の予想平均値
FOMCでは0.25%の利下げも、タカ派的緩和?
・労働市場の強さを維持、経済活動は堅調なペースで上昇との前回の声明文を踏襲
・家計支出について「堅調なペースで上昇」と上方修正
・企業の投資や輸出は弱まったとして下方修正
・カンザスシティ連銀総裁やボストン連銀総裁が政策金利の据え置きを主張
・セントルイス連銀総裁は0.50%の利下げを主張、FOMC内部の見解の相違が鮮明に
・経済予測では成長率見通しが上方修正され、今年の成長率見通しも0.1%引き上げ
・潜在成長率見通し(+1.9%)前後で推移するとの見通し
・今年の失業率見通しは3.7%へ従来の3.6%から引上げ、来年以降3.7%から3.9%と堅調
・個人消費デフレーターはコアも含め概ね2%目標への緩やかな収斂見通しを維持
・パウエルFRB議長の会見では、先行きについて十分と思えば利下げを止める
・経済情勢が弱まれば大幅利下げが必要になる可能性もあるとして、柔軟な対応を示唆
・マイナス金利の検討はなし
・足許の短期金利の上昇について経済や金融政策のスタンスに影響なし
9月雇用統計の注目点
米中通商交渉を巡る不透明感を背景に、米8月ISM製造業景況指数が3年ぶりに好不況の節目とされる50.0を下回る49.1へ低下しました。
前月8月雇用統計でも、民間部門で就業者数の鈍化が見られ、製造業のみならずサービス業へも波及したことから、一時的な動きかとなるのか、9月雇用統計の就業者数の増減が注目されます。
また、時間給賃金は前月比+0.3%予想と8月(+0.4%)から鈍化、前年比では+3.2%予想と前月から変わらずの予想となっています。前年比+3.2%と予想通りの結果となれば、今年8月までの平均(+3.21%)と同水準で、堅調地合いの継続を確認することとなり、低インフレへの懸念後退につながるかもしれません。
また、9月のFOMC前後で米長期金利の低下に一服感が見られており、FRBの年内のさらなる利下げの必要性を見極める点からも注目されます。
非農業部門雇用者数(万人)の推移
- ※出所:米労働省
ユーロは対ドルで軟調地合いを継続?
9/27に、ユーロは対ドルで2017年5月以来の安値となる1.0904ドルまで下落しました。節目となる1.0900ドルを行使価格とするまとまったオプションに対する思惑もあり、1.0900ドルを付けなかったことでポジション調整による買い戻しが観測され、1.0959ドルへ反発し、1.0942ドルで先週末の取引を終えています。
9/23に発表されたドイツ9月製造業PMIが41.4へ低下、2009年6月以来10年3ヵ月ぶりの低水準となったほか、ユーロ圏製造業PMIも45.6へ低下しました。
さらに、サービス業PMIと合わせた総合PMIも2013年6月以来の低水準となる50.4へ低下するなど、欧州の景気減速懸念がユーロの下落につながりました。
こうした状況下で、ドイツのGDP(4‐6月期は前期比‐0.1%、7‐9月期もマイナス成長予想)に占める輸出依存度が47%と高水準にとなる中、米中を中心とする貿易問題の影響から、ドイツの輸出全体の約75%を占める自動車関連の減速が顕著となっていることもユーロ安の一因となっています。
また、量的緩和の再開に反対の意向を示していたECBラウテンシュレーガー専務理事が2022年の期限を前に10月末で辞任するとしたことで、ECB内部での更なる緩和策を巡る対立への思惑もユーロ安につながったとみられています。
今後、年末に向けて海外の資金送金を背景にしたユーロ売りドル買いの観測など需給面でのドル堅調の思惑もユーロの上値抑制につながりかねません。今週末の米9月雇用統計が市場予想を上回り、ドル買いが一段と進展する場合、ユーロの1.0900ドル割れを試す可能性もあり、注意が必要です。