米6月雇用統計 (非農業部門雇用者数前月比/失業率 等) |
発表時間: |
7/5(金)21:30(日本時間)
|
前回値: |
+7.5万人 / 3.6% |
事前予想: |
+16.0万人 / 3.6% |
米6月雇用統計 予想を確認!
1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月予想 | |
非農業部門 雇用者数(万人) | 31.2 | 5.6 | 15.3 | 22.4 | 7.5 | 16.0 |
失業率(%) | 4.0 | 3.8 | 3.8 | 3.6 | 3.6 | 3.6 |
時間給賃金 前月比(%) | 0.1 | 0.4 | 0.2 | 0.2 | 0.2 | 0.3 |
時間給賃金 前年比(%) | 3.2 | 3.4 | 3.2 | 3.2 | 3.1 | 3.2 |
-
※出所:SBIリクイディティ・マーケット
※市場予想は7/1現在の予想平均値
米中首脳会談 最悪のシナリオは回避
トランプ政権が、5/10に対中制裁関税として2000億ドル相当の中国からの輸入品に対する関税を引き上げたこと(10%⇒25%)によって、米国の家計負担を年間1世帯あたり831ドル(9万円弱)増やしたとFRBが試算しています。
更なる追加制裁(3250億ドル相当)を課すことになれば、2020年の中国GDPが0.6%、米GDPが0.4%減速すると言われていただけに、大統領選を迎える2020年の成長率の鈍化を避けると同時に、NY株式市場への悪影響などの懸念を払拭する狙いがあったのか、6/29の米中首脳会談では追加制裁は当面なしとの結論に至りました。
さらに、中国・通信大手ファーウェイへの禁輸措置を一部認めるなど、交渉決裂といった最悪シナリオは回避されました。
米製造業PMI サービス業PMI
- ※出所:Markit
米個人消費の先行きは不透明感が漂う
米中通商問題の影響が米国の経済指標からも明確になっており、米6月製造業PMIが2016年2月以来の低水準へ低下しました。
さらに、6/25に発表された6月消費者信頼感指数は、5月(131.3)から121.5へ大きく低下、1年9ヵ月ぶりの低水準となるなど、依然として米個人消費に対する先行き不透明感を象徴する結果となりました。
米大統領選を巡っては、昨晩マイアミで民主党が10名の大統領候補による討論会を開催、選挙戦に向けた動きが本格化し始めています。これ以上の景況感の悪化はFRBの政策金利の引き下げだけでカバーできるものではないとの見方も、追加関税見送り決定に至る根拠の一つになったと思われます。
今回、追加制裁関税を見送ったことがFRBの今後の金融政策の判断に影響を及ぼすのか注目されます。
6/25には、セントルイス連銀ブラード総裁が「7月FOMC の0.50%の利下げは行き過ぎである」との認識を示したほか、パウエルFRB議長も「個別のデータや短期的な心理の変動には過剰に反応しないように注意している」と発言、市場の早期利下げ観測を牽制しています。
就業者数の大幅改善なるか!?
こうした中で、7/5に米6月雇用統計が発表されます。
市場予想では、1969年12月以来、およそ49年ぶりの3.6%という低失業率が4月以降3ヵ月連続で継続すると見られるほか、時間給賃金も前月比+0.3% 前年比+3.2%と前月からの改善が見込まれています。さらに、就業者数も前月の7.5万人増から16.0万人増と改善が予想されています。
少なくとも、5月の就業者数の鈍化が一時的であったとの判断に至るほどの大幅な増加となった場合、7月の利下げ観測が大きく後退する可能性もあることから注目されます。
雇用統計の結果に対する米債券市場で、金利低下に一服感が見られるか、さらには米3ヵ月物T-Billと米10年債利回りとの逆イールドの状況が解消に向かうのか、注目です。
非農業部門雇用者数(万人)の推移
- ※出所:米労働省
米時間給賃金 前年比(%) 、 前月比(%)
- ※出所:米労働省
失業率(%)の推移
- ※出所:米労働省