米5月雇用統計 (非農業部門雇用者数前月比/失業率 等) |
発表時間: |
6/2(金)21:30(日本時間)
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前回値: |
+21.1万人 / 4.4% |
事前予想: |
+18.5万人 / 4.4% |
6/2(金)発表の米雇用統計 予想を確認!
12月 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月市場予想 | |
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非農業部門雇用者数(万人) | 15.5 | 21.6 | 23.2 | 7.9 | 21.1 | 18.5万人 |
失業率(%) | 4.7 | 4.8 | 4.7 | 4.5 | 4.4 | 4.4% |
時間給賃金 前月比(%) | 0.3 | 0.2 | 0.3 | 0.1 | 0.3 | 0.2% |
時間給賃金 前年比(%) | 2.9 | 2.6 | 2.8 | 2.6 | 2.5 | 2.6% |
※出所:SBIリクイディティ・マーケット
※市場予想は5/29現在の予想平均値
米 非農業部門雇用者数(万人)、失業率(%)の推移
- ※出所:SBIリクイディティ・マーケット
米 時間給賃金(%)の推移
- ※出所:SBIリクイディティ・マーケット
今週末6/2(金)に米5月雇用統計が発表されます。
先週5/25(木)に公表されたFOMC議事要旨では、早ければ6月の会合で利上げを行うという考えが示されました。その一方で、利上げペースに関しては委員の間で意見が分かれていることが明らかとなりました。
ボストン、フィラデルフィア、サンフランシスコの各地区連銀総裁は年内あと2回の利上げを見込んでいるのに対し、ミネアポリス連銀総裁、ブレイナードFRB理事は利上げに慎重な見解を示しています。ここ最近の弱い米経済指標を受けて、各高官の利上げ見通しが変化したことは明らかで、FOMC議事要旨にも「最近の弱含んでいる経済指標が一過性のものであるとの確認が必要」との記述が盛り込まれています。
ブレイナードFRB理事の発言の変化
6月の米利上げを確実にするためには、時間給賃金を中心に雇用統計が利上げの正当性を示す結果になる必要があります。失業率については歴史的低水準に達している一方で、年初からの時間給賃金の平均上昇率は前年同月比+2.6%となっており、賃金上昇に力強さが見られない点が気掛かりです。
FRBの掲げる2%のインフレ目標を達成・維持するためには、3%台半ばの賃金上昇率が必要で、利上げへの十分な根拠を示すためにも時間給賃金の上昇率には注目です。
FRBの金融政策にも影響? ロシア疑惑の焦点
①昨年の大統領選で行われたとされるロシアのサイバー攻撃がトランプ候補に有利に働いたか
②大統領の側近であったフリン元大統領補佐官とロシアの不適切な関係
③フリン元補佐官についての捜査をやめるようにFRBに指示したトランプ大統領の司法妨害
④トランプ大統領によるロシア高官へのIS(イスラム国)に関する機密情報漏えい
トランプ政権のロシアを巡る不安定かつ不透明な状況にもかかわらず、政治と経済は別物と言わんばかりに、大統領が外遊中にNYダウは21,000ドルを回復し今年2月以来の6連騰を記録したほか、ナスダック、S&P500指数は史上最高値を更新しています。
「金融政策は政治的な動きに左右されない」とイエレン議長は述べていますが、トランプ大統領のロシア疑惑が混迷の度合いを増し、金融市場が動揺する状況になれば、FRBの判断にも少なからず影響を及ぼすことは明らかです。それだけに雇用統計発表前に、トランプ大統領が解任したコミーFRB前長官の議会証言が行われるのかどうかにも注目です。