米12月雇用統計 (非農業部門雇用者数前月比/失業率 等) |
発表時間 |
1/8(金)22:30(日本時間) |
前回値 |
+21.1万人 / 5.0% |
事前予想 |
+20.0万人 / 5.0% |
FOMCでは、「利上げは『緩やかな』ペース」との声明を出しているが、年内の利上げ回数がポイントとされており、追加利上げの時期や年内のペースを読み解く上で、引き続き雇用統計などの重要指標の結果が注目されるだろう。
今回は、利上げ決定直後の雇用統計の発表であることから・・・
前回発表時(12/4)の主要通貨の動きをチャートで振り返る
米ドル/円
- ※出所:FX総合分析チャート 15分足
ユーロ/円
※出所:FX総合分析チャート 15分足
ユーロ/米ドル
※出所:FX総合分析チャート 15分足
雇用統計直前予想レポート
米労働省が12/4に発表した11月の雇用統計では、景気動向を敏感に映す非農業部門雇用者数が+21.1万人となり、市場予想の20.0万人を若干上回る結果となった。直近3ヵ月の平均では、前月時点の+18.7万人から+21.8万人に増加し、安定的な雇用の目安とされる+20万人を3ヵ月ぶりに回復した。一方、失業率は前月と同じ5.0%となり、2008年4月以来の低水準を維持した。
雇用統計の結果が良好だったことを受け、ドル/円は米国の利上げ期待が高まり、一旦は大きく上昇したものの、12月の利上げ期待がすでに高まっていたことから、利益を確定する売りが出るなど、上値はやや限定的となった。
図:米ドル/円 5分足
※出所:FX総合分析チャート
民間部門の雇用者数は、+19.7万人となり、建設業が+4.6万人、小売業は+3.1万人と堅調な結果となったが、ドル高による輸出減少が影響して製造業は-0.1万人、原油安で鉱業関連は-1.1万人となった。また、政府部門は+1.4万人となり、連邦政府、州政府・地方政府とも増加し、サービス関連も小売りや教育・健康、観光・娯楽が好調だった。
フルタイムで働きたいのにパートの仕事しか見つからない人や、求職活動を諦めた人も含めた広義の失業率(U6)は、9.9%と前月から+0.1ポイント上昇した。一方、失業期間が半年以上の長期失業者は、前月比-9.2万人の205万人となった。また、1時間当たりの平均賃金は、全体ベースで+0.04ドルの25.25ドル、管理職を除いたベースでは+0.01ドルの21.19ドルとなった。
表:統計結果と今回の市場予想
|
12月市場予想 |
11月 |
10月 |
9月 |
8月 |
7月 |
6月 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
失業率(%) |
5.0 |
5.0 |
5.0 |
5.1 |
5.1 |
5.3 |
5.3 |
非農業部門雇用者数(万人) |
20.0 |
21.1 |
29.8 |
14.5 |
15.3 |
22.3 |
24.5 |
民間部門雇用者数(万人) |
19.1 |
19.7 |
30.4 |
16.5 |
12.5 |
19.5 |
21.8 |
製造業部門雇用者数(万人) |
0.0 |
-0.1 |
0.1 |
-0.8 |
-1.9 |
1.1 |
0.1 |
※出所:SBIリクイディティ・マーケット作成
※市場予想は1/4現在の予想平均値
12/15-16に開催されたFOMCでは、大方の予想通り2006年6月以来9年半ぶりとなる利上げが決定されたことから、マーケットでは、利上げのペースに注目が移っている。FOMCでは、「利上げは『緩やかな』ペース」との声明を出しているが、年内の利上げ回数がポイントとされており、追加利上げの時期や年内のペースを読み解く上で、引き続き雇用統計などの重要指標の結果が注目されるだろう。
今回は、利上げ決定直後の雇用統計の発表であることから、それほど追加利上げに関する思惑が強まる可能性は少ないと考えられる。このことから、安定的とされる+20万人が判断のベースとして考えられるだろう。ただ今回は、昨年12月の結果発表であることから、2015年の年間ベースの統計結果としても注目されている。
米雇用統計 非農業部門雇用者数月次推移(米労働省発表)
- ※乖離=実績値-予想値
- ※左軸:実績値、予想値 右軸:乖離
- ※Market Win24のデータを元にSBI証券が作成