FOMC 政策金利 |
発表時間 |
7/29(水)27:00(日本時間) |
直近の状況と今回の焦点をチェック!
前回のFOMC(6/16〜17)振り返り
前回6/16〜17の米連邦公開市場委員会(FOMC)は、市場予想通り、現行の金融政策の据え置きを決定しました。声明は、1〜3月期に寒波などの影響で減速した経済が、労働市場や住宅市場の改善を例に挙げながら、緩やかに改善していると指摘しました。また、FOMCメンバーによる2015年の成長率と失業率見通しが下方修正されたほか、2016年と2017年の政策金利見通し(中央値)の水準が引き下げられました。
4月のFOMC結果を受けた時点で、既に市場は6月に利上げが決定される可能性は低いとの判断に傾いており、6/5に発表された雇用統計で非農業部門雇用者数が予想を大幅に上回っても、6月の会合で利上げが決まるとの期待感が高まることはありませんでした。そのため、6月の会合での注目は、記者会見でイエレン議長が利上げ時期に言及するのか否かに絞られていました。結局、声明はもとより、記者会見でもイエレン議長は米国経済の回復基調を認めながらも、利上げの開始には「より明確な証拠が必要だ」と述べるに留めました。
7/8に公表された議事要旨からも、大多数のFOMCメンバーがイエレン議長と同じような見方であることが確認され、利上げ時期の判断は7月以降の会合に先送りされています。
前回発表時(6/17)の振返り(米ドル/円 15分足)
- ※出所:FX総合分析チャート 15分足
直近の状況と今回の焦点
このため市場は6月の会合以降も、引き続き労働市場のさらなる改善がうかがえるような兆候や各種経済指標の中に物価上昇率が2%に戻るような要素を探し出す状況が続きました。こうした状況下、景気先行指数や中古住宅販売件数、新築住宅販売件数といった住宅関連指標、さらに個人消費が市場予想を大幅に上回る発表が続いたことで、年内の利上げ観測が再び高まることになりました。
一時は中国株の大暴落や、ギリシャの債務問題によって“米国の利上げ問題”は、目先の市場のメインテーマから外れていましたが、それぞれ2つの大きなリスクは落ち着きを取り戻し、市場の注目が再度米国の利上げ問題に戻って来ました。
6月後半には堅調な結果が続いた米経済指標ですが、“米国の利上げ問題”が市場の注目から外れていた7月上旬、雇用統計(7/2)も市場が予想したほどの伸びとはならず、小売売上高(7/14)の結果も予想に反しマイナスになるなど、指標結果が年内の利上げ期待を高める材料にはなっていません。注目度の高まっていた上下両院でのイエレン議長の議会証言(7/15〜16)では、議長が過去にも述べた「金利引き上げ時期を過度に重要視すべきではなく、その後の政策金利の引き上げペースを適切に判断して行くことが重要」との発言を繰り返しています。さらに上院での証言では、「早すぎる引き締めにリスクがある」「経済成長は年内のどこかで利上げに最適な状況になる可能性が高い」と述べたと同時に「遅すぎる引き締めも避けたい」とも述べています。
国際通貨基金(IMF)は再三にわたり米連邦制度理事会(FRB)に利上げを2016年まで先送りするよう要請していますが、イエレン議長は「FOMCメンバーの大半は年末までに利上げが可能になると見ている」と発言、敢えて年内の利上げを強調しているようにも聞こえてきます。それだけ経済の回復基調に確信を持っているようにも思われ、FOMC翌日に発表される4-6月GDP速報値が前期の▲0.2%から改善するのを見越しているのか、「4-6月期のGDPは緩やかに成長している」とも述べています。ギリシャ問題や中国株の先行きなど「国外の事象は米国の成長リスク」としながらも「海外の成長は大方の予想より米国経済を後押しするだろう」とも述べています。さらに「利上げ時期が遅れるにつれ、急激な利上げが必要になり、早期の利上げであれば緩やかなペースであろう」との議長の言葉を素直に受け止めれば、9月の利上げに対する具体的なヒントになっているとも解釈できそうです。
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FOMCとは
日本でいう日銀の金融政策決定会合に相当する委員会のことで、現在の景況判断と公開市場操作(政策金利の上げ下げや為替レートの誘導目標)の方針が発表され、アメリカの株式市場や為替レート、世界の金融マーケットに大きな影響を与えます。基本的に6週間ごとの火曜日、年に8回開催されます。