欧州 政策金利 |
発表時間 |
4/15(水)20:45(日本時間) |
前回値 |
0.050% |
事前予想 |
0.050% |
3月5日に開催された欧州中央銀行(ECB)理事会は、主要政策金利のリファイナンス金利を0.05%、上限金利の限界貸出金利を0.30%、下限金利の中銀預金金利も予想通り▲0.20%に据え置くことを決定しました。また、前々回1月22日の理事会で決定していた国債買入れを含む月額600億ユーロの追加緩和を3月9日に開始することを決め、2016年9月まで、或いは必要な場合それ以降も・・・
前回発表時(3/5)のユーロ/円の動きをチャートで振り返る
- ※出所:FX総合分析チャート 15分足
前回のポイントをチェック!
3月5日に開催された欧州中央銀行(ECB)理事会は、主要政策金利のリファイナンス金利を0.05%、上限金利の限界貸出金利を0.30%、下限金利の中銀預金金利も予想通り▲0.20%に据え置くことを決定しました。また、前々回1月22日の理事会で決定していた国債買入れを含む月額600億ユーロの追加緩和を3月9日に開始することを決め、2016年9月まで、或いは必要な場合それ以降も2%のインフレ目標達成に向けて延長することも確認しました。さらに、ユーロ圏2015年と2016年の実質GDP成長率見通しを引き上げました。
ユーロ圏2015年と2016年の実質GDP成長率見通し
|
実質GDP成長見通し |
2014年時点の見通し |
---|---|---|
2015年 |
+1.5% |
+1.0% |
2016年 |
+1.6% |
+1.5% |
- ※出所:SBIリクイディティ・マーケット
今回のポイントを事前チェック!
4月2日に公表された前回3月5日の議事要旨には「資産買入れ拡大は正当化されるとの見方が幅広く共有されている」「目標達成まで躊躇なく資産買入れ断行することが重要との認識で一致」とECBが一枚岩でインフレ目標達成に向けたあらゆる策を講じる決意が示されています。
そもそも追加緩和を決めた1月の理事会が功を奏したのか、独DAX指数は年初からの上昇率が20%を上回り、NYダウのほぼ変化なし、日経平均の11%弱(4月2日時点)を大きく引き離すほどの好調さを持続しているほか、独ZEW景況指数、IFO景気動向の他、ユーロ圏や仏の製造業、非製造業PMIにも著しい改善が見られています。市場の一部にはECBが早ければ年内にも資産買入れ規模の縮小に動くのではないかとの声まで出始めているようです。前述のように株価などは国債買入れ開始時期よりも早い時期に上昇し始めており、国債の買入れ実施を期待しての動きと実際の国債買入れ効果による動きをはっきりと判別することはできません。
そうしたことからも、さすがに4月の理事会までの期間では、追加緩和の効果を見極めるには時間が足りません。ドラギ総裁の発言や来月に公表される議事要旨での理事会討論内容の変化を見極めることになりそうです。
為替市場でもユーロ/ドルやユーロ/円相場の変化が株価の上昇や経済指標の改善を見せ始めた時期とシンクロはしていませんが、国債買入れが始まって以降はユーロが下げ止まったのは確かです。
昨年12月から今年1月にかけては、米連邦準備制度理事会(FRB)のテーパリング宣言とECBの追加緩和による金利低下による真逆の金利見通しを背景にしたユーロ安が進みました。しかし、ECBの金融緩和からユーロ圏経済への効果が表れ始め、逆に独り勝ちに見えていた米経済には指標の悪化が目立ち始め、利上げ開始時期が遅れそうだとの見方によってユーロ/ドルの下値が徐々に上がり始めました。そこへ4月3日、これまで例外的に改善を示し続けてきた米雇用統計までもが市場予想を大幅に下回る雇用者数の伸びとなってしまったことで、今のところ抑えられている1.10ドル台の上値を突き抜ける可能性も出て来ています。それでも、今回もユーロ/ドルは3月の米連邦公開市場委員会(FOMC)直後の高値には届いていません。勿論、今後も米国とユーロ圏の経済指標の発表にも注意しなければなりませんが、短期のユーロ下落に対するリスクは、ギリシャのデフォルトやユーロ圏離脱の可能性に限定されつつあるのかも知れません。ただし、EU主要国や投資筋の間では、既にギリシャのユーロ圏離脱を一つのシナリオとして捉えているようで、仮にギリシャのデフォルト=ユーロ離脱が現実のものとなっても、これまでのように自動的にユーロ売りと判断することには慎重になるべきかも知れません。
さすがに最初からユーロが上昇することは予想し難いですが、一旦下げたところでは悪材料出尽くし感による買戻しが見られるかも知れません。
ユーロ/円 直近の値動き(日足)
出所:FX総合分析チャート日足
ユーロ/ドル 直近の値動き(日足)
出所:FX総合分析チャート日足
「欧州中央銀行(ECB)金融政策発表」とは
「欧州中央銀行(ECB)金融政策発表」とは、ユーロ圏の中央銀行である欧州中央銀行(ECB)が、原則として6週間に1回(2015年〜)の理事会で、そのときの経済状況から政策金利をはじめとする「金融政策」を決定し、発表することです。下旬に開催される2回目の理事会では金利を変更しない、と決めています。大きな変更があった場合にはマーケットに与える影響が大きいので、とても注目されています。