米2月雇用統計 (非農業部門雇用者数前月比/失業率 等) |
発表時間 |
3/6(金)22:30(日本時間) |
前回値 |
+25.7万人 / 5.7% |
事前予想 |
+23.5万人 / 5.6% |
2月6日に発表された1月の米雇用統計では、失業率が5.7%と前回から0.1ポイント上昇したものの、景気動向を敏感に映す非農業部門の雇用者数が+25.7万人と、市場予想の+22.7万人を上回る結果となった。また、昨年11月、12月の数字が大幅に上方修正され、特に11月の数字は・・・
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前回発表時(2/6)の主要通貨の動きをチャートで振り返る
米ドル/円
- ※出所:FX総合分析チャート 15分足
ユーロ/円
※出所:FX総合分析チャート 15分足
ポンド/円
※出所:FX総合分析チャート 15分足
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雇用統計直前予想レポート
2月6日に発表された1月の米雇用統計では、失業率が5.7%と前回から0.1ポイント上昇したものの、景気動向を敏感に映す非農業部門の雇用者数が+25.7万人と、市場予想の+22.7万人を上回る結果となった。また、昨年11月、12月の数字が大幅に上方修正され、特に11月の数字は2010年5月以来4年8ヵ月ぶりの高水準となるなど、雇用改善の勢いが示された。
この結果を受けて、米ドル/円は117.17から119.21まで大きく上昇する動きとなった。そして、注目されていた、時間当たり賃金が増加したことや、労働参加率の上昇も加わり、FRB(米連邦準備制度理事会)が早い時期に利上げ開始に踏み切るとの期待感が高まったことも、米ドルを大きく押し上げる要因となった。
図:米ドル/円 5分足
※出所:FX総合分析チャート
民間部門の雇用者数は、+26.7万人と前月から増加幅が縮小したものの、依然として高水準で推移している。また、小売りが+4.6万人、卸売りが+1.3万人、サービス部門が+20.9万人と大きな伸びを保った一方、政府部門は-1.0万人となり、連邦政府、州政府、地方政府ともに減少となった。
非農業部門雇用者数は、昨年11月の結果が+35.3万人から+42.3万人に、12月が+25.2万人から+32.9万人にそれぞれ上方修正された。また、+20万人を超えるのは11ヵ月連続となり、1994年以来最長となった。そして、過去2ヵ月分の改定に加えて、年次改定の影響もあり、過去3ヵ月の平均が+33.6万人(前月+28.8万人)、6ヵ月平均が+28.2万人(+26.4万人)といずれも前月から大きく伸びている。
職に就けない期間が半年以上に及ぶ長期失業者は280万人と+1.5万人となり、失業者全体の32.5%(前回31.9%)を占めた。また、失業者数が前月から+29.1万人となったものの、求職者数の増加や、労働参加率、労働力人口の増加などから、雇用が減少したことが影響しているわけではないことが伺える。
表:統計結果と今回の市場予想
|
2月市場予想 |
1月 |
12月 |
11月 |
10月 |
9月 |
8月 |
7月 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
失業率(%) |
5.6 |
5.7 |
5.6 |
5.8 |
5.7 |
5.9 |
6.1 |
6.2 |
非農業部門雇用者数(万人) |
23.5 |
25.7 |
32.9 |
42.3 |
22.1 |
25.0 |
21.3 |
24.9 |
民間部門雇用者数(万人) |
22.5 |
26.7 |
32.0 |
41.4 |
21.8 |
23.5 |
20.9 |
24.3 |
製造業部門雇用者数(万人) |
1.0 |
2.2 |
2.6 |
4.5 |
2.3 |
0.9 |
1.4 |
1.4 |
※出所:SBIリクイディティ・マーケット作成
※市場予想は3月3日現在の予想平均値
昨年後半からの堅調な雇用者数の伸びから比較すると、今回の市場予想はやや控えめという印象である。ただ、非農業部門では、1994年以来最長となる11ヵ月連続の+20万人となったことや、昨年11月の伸びが4年半ぶりの高い伸びとなるなど、リーマンショックの影響などで、大きく落ち込んだ雇用情勢が、リーマンショック前の水準を上回る勢いまで回復している。このことから、雇用者数の大きな伸びというよりは、雇用が安定的に伸びているとされる+20万人を下回らなければ、雇用市場に対する懸念は高まらないだろう。
そして、FRBの利上げ開始時期に関する思惑が米ドル相場に影響するという展開が続いている。雇用者数の伸びや失業率の結果はもちろんのことだが、それ以上に注目されるのは、特に回復の遅れが目立っている賃金の伸びや、労働参加率の改善状況だろう。そのため、これらの結果にも注目したい。
米雇用統計 非農業部門雇用者数月次推移(米労働省発表)
- ※乖離=実績値-予想値
- ※左軸:実績値、予想値 右軸:乖離
- ※Market Win24のデータを元にSBI証券が作成