米1月雇用統計 (非農業部門雇用者数前月比/失業率 等) |
発表時間 |
2/6(金)22:30(日本時間) |
前回値 |
+25.2万人 / 5.6% |
事前予想 |
+23.0万人 / 5.6% |
1月9日に発表された昨年12月の米雇用統計では、景気動向を敏感に映す非農業部門雇用者数の伸び幅が市場予想の+24.0万人を上回る+25.2万人となった。また、昨年10月、11月分の非農業部門雇用者数はいずれも上方修正され、力強い雇用回復が続いていることが示された。失業率は・・・
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前回発表時(1/9)の主要通貨の動きをチャートで振り返る
米ドル/円
- ※出所:FX総合分析チャート 15分足
ユーロ/円
※出所:FX総合分析チャート 15分足
ポンド/円
※出所:FX総合分析チャート 15分足
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雇用統計直前予想レポート
1月9日に発表された昨年12月の米雇用統計では、景気動向を敏感に映す非農業部門雇用者数の伸び幅が市場予想の+24.0万人を上回る+25.2万人となった。また、昨年10月、11月分の非農業部門雇用者数はいずれも上方修正され、力強い雇用回復が続いていることが示された。失業率は、前月から0.2ポイント低下の5.6%に改善し、2008年6月以来、6年半ぶりの低水準となった。
この結果を受けて、ドル/円は118.97から119.75まで上昇する動きとなった。しかし、求職者を含む働き手の割合を示す労働参加率が低下したことや、時間当たりの賃金が低下するなど、『雇用の質』に対する懸念などから、利上げ時期に対する慎重な見方が広がり、ドル/円は118.41まで下げる動きとなった。
図:米ドル/円 5分足
※出所:FX総合分析チャート
雇用者数を部門別で見ると、民間部門が前月比+24.0万人(前回+34.5万人)、政府部門が+1.2万人(前回+0.8万人)、製造業部門が+1.7万人(前回2.9万人)、建設業部門が+4.8万人(前回+2.9万人)、サービス業部門が+17.3万人(前回+29.4万人)、企業向けサービス部門が+5.2万人(前回+8.7万人)となるなど、前月から伸び幅が縮小するケースが目立っている。また、業種別では、一時雇用を含む企業向け専門職が引き続き好調で、教育・医療が伸びたものの、前月大きく伸びた小売業は増加幅が大きく縮小した。
そして、平均時給は、前月比で-0.2%(前月+0.2%)とマイナスとなり、前年比では1.7%(前月1.9%)と前月に続いて伸び幅が縮小した。また、失業期間が半年以上に及ぶ長期失業者数は278.5万人となり、前月から-3.7万人減少したが、失業者全体の31.9%(前月30.7%)を占めた。
表:統計結果と今回の市場予想
|
1月市場予想 |
12月 |
11月 |
10月 |
9月 |
8月 |
7月 |
6月 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
失業率(%) |
5.6 |
5.6 |
5.8 |
5.8 |
5.9 |
6.1 |
6.2 |
6.1 |
非農業部門雇用者数(万人) |
23.0 |
25.2 |
35.3 |
26.1 |
27.1 |
20.3 |
24.3 |
26.7 |
民間部門雇用者数(万人) |
23.0 |
24.0 |
34.5 |
25.5 |
24.9 |
20.0 |
23.9 |
26.0 |
製造業部門雇用者数(万人) |
1.2 |
1.7 |
2.9 |
2.4 |
1.2 |
0.3 |
2.4 |
2.1 |
※出所:SBIリクイディティ・マーケット作成
※市場予想は2月2日現在の予想平均値
12月の結果は、11月の結果と比較して雇用者数の伸びが鈍化するなど、やや不安の残る面が見受けられた。また、最近の米経済指標の結果を見ても、市場予想を下回るケースが目立っていることから、今回の市場予想はやや慎重な見方になっていると考えられる。
しかしながら、雇用の伸びが大きく失速するとは考えにくく、比較的堅調な伸びが維持されると考えられる。また、失業率に関しては、前月から横ばい予想だが、FRBの2015年10-12月期の見通しである5.2%〜5.3%に近づいており、今回の結果が横ばいとなったとしても特に問題視されないだろう。そして、最近の雇用統計の結果は、米国の利上げ時期に関する思惑を左右する傾向が続いていることから、特に懸念が指摘されている賃金の伸びや労働参加率など、『雇用の質』の部分の結果に注目したい。
米雇用統計 非農業部門雇用者数月次推移(米労働省発表)
- ※乖離=実績値-予想値
- ※左軸:実績値、予想値 右軸:乖離
- ※Market Win24のデータを元にSBI証券が作成