発表時間 |
6/6(金)21:30(日本時間) |
事前予想 |
21.5万人 |
5月2日に発表された4月の米雇用統計は、景気動向を敏感に映す非農業部門雇用者数が前月から+28.8万人となり、市場予想の+21.5万人を大きく上回り、2012年1月以来2年ぶり大幅増となった。一方、失業率も市場予想の6.6%を大きく下回る6.3%となり、2008年9月以来5年半ぶりの低水準に改善した。マーケットでは、米経済が第2・四半期に入り大幅に回復している兆候が示されたとの見方が強まり、米ドルは主要通貨に対して上昇する動きとなった。
雇用統計Live中継への入場はこちら
(6/6(金)21:15〜放送開始予定 ※USTREAM(外部サイト)へ遷移します。)
前回指標発表時(5/2)の振り返り 米ドル/円
- ※出所:FX総合分析チャート 15分足
他の通貨も動きがありました。
前回指標発表時(5/2)の振返り ユーロ/円
※出所:FX総合分析チャート 15分足
前回指標発表時(5/2)の振返り 豪ドル/円
※出所:FX総合分析チャート 15分足
ファンダメンタル分析とは?ニュースで聞くような経済指標を読んで相場を分析すること。特に重要な指標をいくつかご紹介! |
発表スケジュールをチェック!
5月ADP雇用統計 前月比 (ADP発表)
前回予想 |
21万人 |
|
前回発表 |
22万人 |
---|
発表時間 |
6/4(水)21:15(日本時間) |
事前予想 |
21.0万人 |
米5月雇用統計 非農業部門雇用者数変化 前月比 (米労働省発表)
前回予想 |
21.8万人 |
|
前回発表 |
28.8万人 |
---|
発表時間 |
6/6(金)21:30(日本時間) |
事前予想 |
21.5万人 |
過去データをチャートで確認!
米雇用統計 非農業部門雇用者数月次推移(米労働省発表)
- ※乖離=実績値-予想値
- ※左軸:実績値、予想値 右軸:乖離
- ※Market Win24のデータを元にSBI証券が作成
雇用統計直前レポート
雇用統計Live中継への入場はこちら
(6/6(金)21:15〜放送開始予定 ※USTREAM(外部サイト)へ遷移します。)
5月2日に発表された4月の米雇用統計は、景気動向を敏感に映す非農業部門雇用者数が前月から+28.8万人となり、市場予想の+21.5万人を大きく上回り、2012年1月以来2年ぶり大幅増となった。一方、失業率も市場予想の6.6%を大きく下回る6.3%となり、2008年9月以来5年半ぶりの低水準に改善した。マーケットでは、米経済が第2・四半期に入り大幅に回復している兆候が示されたとの見方が強まり、米ドルは主要通貨に対して上昇する動きとなった【図1参照】。
民間部門雇用者数は+27.3万人、民間サービス業が+22.0万人となり、一時雇用を含む企業向け専門職で伸びが目立ったほか、教育・健康、小売りなどが好調だった。また、建設業が+3.2万人、製造業は+1.2万人、政府雇用も+1.5万人となった。さらに、非農業部門雇用者数は、2月が+19.7万人から+22.2万人に、3月が+19.2万人から+20.3万人に上方修正されたことも好感された。
図1:米ドル/円 10分足
- 【図1】出所:総合分析チャート
非農業部門雇用者数は、3ヵ月連続で+20万人の大台を超え、失業率も大幅に改善するなど雇用市場の改善が見られた。その中で、失業者は-73.3万人となったものの自営業者を含む就業者数は-7.3万人となり、失業率の低下は、職探しをあきらめて労働市場から退場した人が増えたことを示唆している。そのため、労働人口が-80.6万人と非常に大きな落ち込みを示し、労働参加率は62.8%と前月から0.4%ポイント低下して昨年12月以来の低水準となり、1978年以来の低水準に並んでいる。このことが意識され、米ドルの上値はやや抑えられたと思われる。
そして、米雇用統計の発表後、やや動きが落ち着き、小動きの展開が続いていたが、「ウクライナ軍ヘリコプター2機撃墜、2人死亡」などのヘッドラインが流れ、ウクライナ情勢の緊迫化を背景に投資家のリスク回避の動きが強まり、米ドル/円・クロス円は一段の下げとなった【図1参照】。
表2:統計結果と今回の市場予想
|
5月市場予想 |
4月 |
3月 |
2月 |
1月 |
12月 |
11月 |
10月 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
失業率(%) |
6.4 |
6.3 |
6.7 |
6.7 |
6.6 |
6.7 |
7.0 |
7.2 |
非農業部門雇用者数(万人) |
21.5 |
28.8 |
20.3 |
22.2 |
14.4 |
8.4 |
27.4 |
23.7 |
民間部門雇用者数(万人) |
21.0 |
27.3 |
20.2 |
20.1 |
16.6 |
8.6 |
27.2 |
24.7 |
製造業部門雇用者数(万人) |
1.0 |
1.2 |
0.7 |
2.0 |
0.8 |
0.7 |
3.5 |
1.8 |
- 【表2】出所:SBIリクイディティ・マーケット作成
- ※市場予想は6月3日現在の予想平均値
最近の米雇用統計の結果から、労働市場が改善していることは間違いないが、失業率の大幅な改善は労働参加率の低下によるものであるなど、労働市場全体で見ればすべてが改善に向かっているわけではない。正規雇用を求めるパートタイム労働者の数を見ても、労働市場の緩みは依然として解消されていない。安定的な雇用増加が続けば、労働市場の細かな問題も徐々にクリアできるだろう。そのためには、+20万人程度の結果が続く(半年程度)ことが望ましい。現状では、平均の週労働時間を増やすことが難しい水準であるため、雇用者側は人員を増やす必要がある。そのため、雇用者数の伸びは安定的に続く可能性が考えられる。
5月の市場予想は、2月から3月並みの数字が予想されている。+20万人以上の結果となるなら、安定的な伸びであると好感されるが、一方で予想の範囲内(予想値±1.5万人程度)の結果となる場合には、前月の強い伸びからの反動で低下したとの見方をする向きもあるだろう。
このことから、予想の範囲内の結果となるようなら、米ドル相場は前回同様に「やや上値の重い動きとなる可能性」も予想される。そして、+20万人を下回る結果となる場合には、マーケットは「ネガティブ」と判断する可能性もあるだろう。