発表時間 |
4/4(金)21:30(日本時間) |
事前予想 |
20万人 |
3月7日に発表された2月の米雇用統計では、景気動向を敏感に映す非農業部門雇用者数が+17.5万人と、市場予想の+14.9万人を上回る結果となり、雇用情勢の改善が示された。事前に発表された主要な経済指標や、雇用関連の指標が芳しくなかったことを受けて、雇用者数の伸びは市場予想を下回る可能性を指摘する向きもあった。そのため、雇用者数の伸びが市場予想を上回る結果となったことを好感して米ドルが大きく上昇する動きとなった。
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(4/4(金)21:15〜放送開始予定 ※USTREAM(外部サイト)へ遷移します。)
前回指標発表時(3/7)の振り返り 米ドル/円
- ※出所:FX総合分析チャート 15分足
他の通貨も動きがありました。
前回指標発表時(3/7)の振返り ユーロ/円
※出所:FX総合分析チャート 15分足
前回指標発表時(3/7)の振返り 豪ドル/円
※出所:FX総合分析チャート 15分足
ファンダメンタル分析とは?ニュースで聞くような経済指標を読んで相場を分析すること。特に重要な指標をいくつかご紹介! |
発表スケジュールをチェック!
3月ADP雇用統計 前月比 (ADP発表)
前回予想 |
15.5万人 |
|
前回発表 |
13.9万人 |
---|
発表時間 |
4/2(水)21:15(日本時間) |
事前予想 |
19万人 |
米3月雇用統計 非農業部門雇用者数変化 前月比 (米労働省発表)
前回予想 |
14.9万人 |
|
前回発表 |
17.5万人 |
---|
発表時間 |
4/4(金)21:30(日本時間) |
事前予想 |
20万人 |
過去データをチャートで確認!
米雇用統計 非農業部門雇用者数月次推移(米労働省発表)
- ※乖離=実績値-予想値
- ※左軸:実績値、予想値 右軸:乖離
- ※Market Win24のデータを元にSBI証券が作成
雇用統計直前レポート
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(4/4(金)21:15〜放送開始予定 ※USTREAM(外部サイト)へ遷移します。)
3月7日に発表された2月の米雇用統計では、景気動向を敏感に映す非農業部門雇用者数が+17.5万人と、市場予想の+14.9万人を上回る結果となり、雇用情勢の改善が示された。事前に発表された主要な経済指標や、雇用関連の指標が芳しくなかったことを受けて、雇用者数の伸びは市場予想を下回る可能性を指摘する向きもあった。そのため、雇用者数の伸びが市場予想を上回る結果となったことを好感して米ドルが大きく上昇する動きとなった。しかし、失業率が6.7%と前月の6.6%から上昇し、1年2ヵ月ぶりに悪化となったことや、雇用者数の伸びが驚くほど強い伸びとなったわけではないとの見方が広がったこともあり、その後は上げ幅を大きく縮小する動きとなった【図1参照】。
【図1】米ドル/円 10分足
- 【図1】出所:総合分析チャート
民間部門の雇用者数は、+16.2万人と雇用改善の目安とされる+10万人を上回る結果となった。また、製造業部門は+0.6万人と市場予想を上回り、政府雇用も+1.3万人と3ヵ月ぶりにプラスに転じた。そして、非農業部門雇用者数は、昨年12月の+7.5万人から+8.4万人に、今年1月の+11.3万人から+12.9万人にそれぞれ上方修正された。
一方、職に就けない期間が半年以上に及んでいる長期失業者は384.9万人と、前月から+20.3万人となり、失業者全体の37.0%を占めた。また、5週以下と15〜26週の人数はいずれも減少したが、失業期間が5〜14週の人数は256.8万人に増加した。また、職に就いているが天候が原因でパートタイム勤務となった人の数が690万人に達し、2月としては現行の統計を開始した1978年以来の高水準となった。また、職に就きながら天候要因で就業不能となった人(自宅待機を余儀なくされた人)は約60.1万人となり、2月としては2010年以来の高水準となるなど、悪天候の影響が散見できる内容も目立った。そして、週平均の労働時間も2011年1月以来の低水準となるなど、統計内容の一部では悪化が目立った。
【表2】統計結果と今回の市場予想
|
3月市場予想 |
2月 |
1月 |
12月 |
11月 |
10月 |
9月 |
8月 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
失業率(%) |
6.6 |
6.7 |
6.6 |
6.7 |
7.0 |
7.2 |
7.2 |
7.2 |
非農業部門雇用者数(万人) |
20.0 |
17.5 |
12.9 |
8.4 |
27.4 |
23.7 |
16.4 |
20.2 |
民間部門雇用者数(万人) |
20.0 |
16.2 |
14.5 |
8.6 |
27.2 |
24.7 |
15.3 |
18.0 |
製造業部門雇用者数(万人) |
0.6 |
0.6 |
0.6 |
0.7 |
3.5 |
1.8 |
0.3 |
0.8 |
- 【表2】出所:SBIリクイディティ・マーケット作成
- ※市場予想は4月1日現在の予想平均値
ここ数ヵ月は、寒波などの悪天候の影響が米国経済に影響を与えており、雇用統計の結果にも影響が出ていた。しかし、3月は天候悪化の影響が薄れたことから、12月以前の雇用改善のペースに戻るとの見方が出ている。ただ、ここまでの雇用の悪化がすべて天候要因によるものであったがどうかの判断が難しいものの、注目される非農業部門雇用者数の市場予想の中心は、大台の+20万人とやや強気予想となっている。そして、失業率も前回の悪化から改善するとの予想が出ている。
今週発表される米雇用関連の指数や、民間の雇用統計の結果を踏まえての動きとなるだろうが、マーケットでは天候悪化によるフラストレーションが高まっていただけに、雇用改善の期待感が高まりつつある。そのため、雇用統計の発表までは改善を織り込む形の動きとなる可能性もあるだろう。ただ、その反面、発表される内容が期待ほど高くなかった場合には、米ドルの下落となる可能性も想定しておきたい。