発表時間 |
2/7(金)22:30(日本時間) |
事前予想 |
18.5万人 |
1月10日に発表された12月の米雇用統計では、失業率が前月から0.3ポイント低下の6.7%となり、2008年10月以来5年2ヵ月ぶりに低い水準に改善した。しかし、景気動向を敏感に映す非農業部門の雇用者数が+7.4万人となり、市場予想の19.5万人を大きく下回る結果となり、伸び幅は2年11か月ぶりの低水準となった。一方、民間部門の雇用者数の伸びは+8.7万人(予想19.5万人)、製造業部門は+0.9万人(予想1.5万人)といずれも市場予想を大きく下回る結果となった。業種別では、建設、教育・健康、観光・娯楽が低下したものの、堅調な年末商戦を反映して、小売りは大きく伸びる結果となった。
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(2/7(金)22:15〜放送開始予定 ※USTREAM(外部サイト)へ遷移します。)
前回指標発表時(1/10)の振返り 米ドル/円
- ※出所:FX総合分析チャート 15分足
他の通貨も動きがありました。
前回指標発表時(1/10)の振返り ユーロ/円
※出所:FX総合分析チャート 15分足
前回指標発表時(1/10)の振返り 豪ドル/円
※出所:FX総合分析チャート 15分足
ファンダメンタル分析とは?ニュースで聞くような経済指標を読んで相場を分析すること。特に重要な指標をいくつかご紹介! |
発表スケジュールをチェック!
米1月ADP雇用統計 前月比 (ADP発表)
前回予想 |
20万人 |
|
前回発表 |
23.8万人 |
---|
発表時間 |
2/5(水)22:15(日本時間) |
事前予想 |
18.7万人 |
米1月雇用統計 非農業部門雇用者数変化 前月比 (米労働省発表)
前回予想 |
19.7万人 |
|
前回発表 |
7.4万人 |
---|
発表時間 |
2/7(金)22:30(日本時間) |
事前予想 |
18.5万人 |
過去データをチャートで確認!
米雇用統計 非農業部門雇用者数月次推移(米労働省発表)
- ※Market Win24のデータを元にSBI証券が作成
雇用統計直前レポート
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(2/7(金)22:15〜放送開始予定 ※USTREAM(外部サイト)へ遷移します。)
1月10日に発表された12月の米雇用統計では、失業率が前月から0.3ポイント低下の6.7%となり、2008年10月以来5年2ヵ月ぶりに低い水準に改善した。しかし、景気動向を敏感に映す非農業部門の雇用者数が+7.4万人となり、市場予想の19.5万人を大きく下回る結果となり、伸び幅は2年11か月ぶりの低水準となった。一方、民間部門の雇用者数の伸びは+8.7万人(予想19.5万人)、製造業部門は+0.9万人(予想1.5万人)といずれも市場予想を大きく下回る結果となった。業種別では、建設、教育・健康、観光・娯楽が低下したものの、堅調な年末商戦を反映して、小売りは大きく伸びる結果となった。
1月の発表時と同様に、事前に発表される民間のADP雇用統計が市場予想を上回る結果となり、雇用関連の経済指標の改善を背景に、労働省の統計結果(米雇用統計))に対する期待感が高まり、発表直前に米ドルが買われるなど、発表前に乱高下する動きも見られた。しかし、雇用者数の伸びが軒並み予想を大きく下回ったことを受けて、米ドルは主要通貨に対して軟調な動きとなった。
【図1】米ドル/円 10分足
- 【図1】出所:総合分析チャート
雇用者数の伸びが予想外に大きく低下した要因としては、悪天候が続いたことや、2ヵ月連続で20万人以上の伸びとなった反動が要因として挙げられている。12月は、天候悪化による就業不能労働者の数が、過去の月平均の倍となる27.3万人となり、12月としては1977年以降で最も悪い結果となった。また、企業側が年末商戦やクリスマス休暇時期の需要増を見越して前倒しで雇用を確保したことを受けて、過去2ヵ月は20万人以上の雇用増となったが、その反動で企業側が採用を控えたとの見方もある。ただ、天候の影響を受けにくいセクターでも雇用の伸びが鈍化していることを見れば、天候の影響だけではなさそうである。
一方、失業者数が49万人減少となったものの、就業者数の伸びが低下しており、単純に職探しをやめた人の存在が大きく関係していると考えられる。そのため、失業率が7.0%から6.7%に低下となったが、決して喜ばしい低下ではないといえる。このことはFRBでも認識しており、FOMCの声明からも読み取ることができる。
【表2】統計結果と今回の市場予想
|
1月市場予想 |
12月 |
11月 |
10月 |
9月 |
8月 |
7月 |
6月 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
失業率(%) |
6.7 |
6.7 |
7.0 |
7.2 |
7.2 |
7.2 |
7.3 |
7.5 |
非農業部門雇用者数(万人) |
18.5 |
7.4 |
24.1 |
20.0 |
17.5 |
23.8 |
8.9 |
17.2 |
民間部門雇用者数(万人) |
19.0 |
8.7 |
22.6 |
21.7 |
16.8 |
20.7 |
10.0 |
19.4 |
製造業部門雇用者数(万人) |
1.0 |
0.9 |
3.1 |
1.7 |
0.8 |
1.5 |
-1.7 |
-0.7 |
- 【表2】出所:SBIリクイディティ・マーケット作成
- ※市場予想は2月4日現在の予想平均値
今回の市場予想を見ると、前回並みの予想となっており、12月の結果は天候要因の一時的な結果と判断していることが伺える。しかし、1月も引き続き天候の悪化は続いていることから、今回も天候の影響がでる可能性も想定しておきたい。そのため、1月の主要な経済指標の雇用部門の結果などは押さえておきたい。ただ、事前に発表される統計の中でも、注目度の高いADP雇用統計は、天候の悪化などが影響した場合には、前回のように全く逆の結果になることがある。これは、単純に集計方法の違いがあるからであり、今回も参考程度にしておきたい。また、米国のGDP下方修正されたことから、失業率が悪化する可能性も考えられる。