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マーケット > レポート > 投資環境ウィークリー > 岐路に立つ財政、補填する中銀の選択に注目

岐路に立つ財政、補填する中銀の選択に注目

2020/10/20
提供:三菱UFJ国際投信

荒武 秀至の今週の注目ポイント!

  • 先週の株価は、米国が日欧をアウトパフォーム、米長期金利、ドル円はほぼ変わらずの展開
  • 欧州はじめ新型コロナウイルス感染再拡大の兆候、今週は投資家のリスクテイク意欲が萎む恐れも。
  • 長期的には主要国、特に米国の財政は岐路に。米FRBの選択が決定的に重要、幹部講演は要注目。

「投資環境ウィークリー」10月19日号より抜粋

PDFです。新しいウィンドウで開きます。 「投資環境ウィークリー」全文はこちら(PDF)

中銀は財政赤字越える資産を購入

■ 主要国株式市場は米国高、日欧安の展開
先週の主要国株価週間騰落率はまちまち、新型コロナウイルス感染再拡大で動揺広がる欧州は弱く、早期の景気刺激策導入へ期待残る米国は持ち堪える展開でした。また、先週末迄に決算発表を終えた米49社(S&P500株価指数構成企業)の1株当り利益は前年比▲14.3%、当初の予想ほどは悪くないという印象です(Refinitiv調べ)。

■ 岐路に立つ財政。行く手に「3つの道」
米国初め世界で期待の広がる財政による景気刺激はいま、岐路に立とうとしています。政府は収入以上のカネを使い(財政赤字)、中央銀行がその赤字を補填する構図が明確化しつつあるためです。「借りたカネは返す」という従来の不文律が崩れるかどうか、先導する米国は、行く手にみえる「3つの道」の選択を近々迫られるとみています。つまり、①(中銀による財政赤字補填を)容認するか、②「借りたカネは返さなくて良い」とする新たな不文律を作るか、③決して容認せず元に戻るか。

■ 選択の先陣切る米FRB。姿勢が今後明らかに
この決断は中央銀行、中でも世界の金融政策を主導する米FRB(連邦準備理事会)が先陣を切るでしょう。目下FRBは危機対応だと、財政刺激策の早期導入を声高に叫ぶも、危機を越えなお①を容認するとは従来の常識では考え難いでしょう。米次期政権が財政再拡大を志向する中、今後FRBは刻々と迫る決断の時に向け布石を打つとみています。従来の常識では③が順当、しかしこの場合、株式相場はいばらの道を歩むでしょう。当面、FRB幹部の声から目が離せなくなりそうです。(徳岡)

今週の主要経済指標と政治スケジュール

10/19(月)
  • (日)9月 貿易収支(通関ベース、速報)
    8月:+2,486億円、9月:+6,750億円
  • (米)ウィリアムズ・ニューヨーク連銀総裁 講演
  • (米)ボスティック・アトランタ連銀総裁 講演
  • (米)ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁 講演
  • (中)7-9月期 実質GDP(前年比)
    4-6月期:+3.2%、7-9月期:+4.9%
  • (中)9月 鉱工業生産(前年比)
    8月:+5.6%、9月:+6.9%
  • (中)9月 小売売上高(前年比)
    8月:+0.5%、9月:+3.3%
  • (中)9月 都市部固定資産投資(年初来、前年比)
    8月:▲0.3%、9月:+0.8%
  • (中)9月 調査失業率
    8月:5.6%、9月:5.4%
10/20(火)
  • (米)9月 住宅着工・許可件数(着工、年率)
    8月:141.6万件、9月:(予)145.0万件
  • (中)10月 優遇貸付金利発表
    1年物 9月:3.85%、10月:(予)NA
    5年物 9月:4.65%、10月:(予)NA
  • (米)ネットフリックス 2020年7-9月期 決算発表
  • (米)エバンス・シカゴ連銀総裁 講演
10/21(水)
  • (米)ベージュブック(地区連銀経済報告)
  • (米)テスラ 2020年7-9月期 決算発表
  • (米)メスター・クリーブランド連銀総裁 講演
10/22(木)
  • (米)第3回 大統領候補者討論会
  • (米)バレット最高裁判事承認採決(上院司法委)
  • (米)FDA(米食品医薬品局)
    新型コロナワクチン諮問委員会会合
  • (米)新規失業保険申請件数(週間)
    10月10日終了週:89.8万件v 10月17日終了週:(予)86.0万件
  • (他)トルコ 金融政策委員会 1週間物レポ金利:10.25%→(予)NA
  • (米)バーキン・リッチモンド連銀総裁 講演
  • (米)カプラン・ダラス連銀総裁 講演
10/23(金)
  • (日)9月 消費者物価(前年比)
    総合 8月:+0.2%、9月:(予)NA
    除く生鮮 8月:▲0.4%、9月:(予)NA

注)(日)日本、(米)米国、
    (欧)ユーロ圏(またはEU)、
    (中)中国、(他)その他を指します。
    NAはデータなし。
    日程および内容は変更される可能性があります。

出所) 各種情報、Refinitivより当社経済調査室作成

注)MSCI WORLD、MSCI EM、S&P先進国REIT指数は米ドルベース。
       原油は1バレル当たり、金は1オンス当たりの価格。
       騰落幅、騰落率ともに2020年10月9日対比。

出所)MSCI、S&P、Refinitivより当社経済調査室作成

注)上記3図の直近値は2020年10月16日時点。
出所)Refinitivより当社経済調査室作成

当資料に関してご留意頂きたい事項

  • 当資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたもので、投資勧誘を目的としたものではありません。投資の最終決定はお客さまご自身の判断でなさるようお願いいたします。
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