2020/3/10
提供:三菱UFJ国際投信
「投資環境ウィークリー」3月9日号より抜粋
3つの柱の第一の柱が揺らぐ恐れ
■ 米FRB緊急利下げも予断許さぬ金融市場
新型肺炎ウイルス(COVID-19)は先週、米国本土に本格上陸、カリフォルニア州やニューヨーク州では感染拡大受け非常事態宣言が発令されました。こうした中、9日の日本時間ではドル円が$1=102円台に下落、米株はFRB(連邦準備理事会)の緊急利下げで週間騰落率がプラスとなったものの、依然として予断許さぬ状況です。
■ COVID-19米上陸で市場は新局面へ
COVID-19の米国への本格上陸で、世界の金融市場は新たな局面を迎えたとみています。これまで世界の株式市場や金融市場を支え、そして先行きのリスク資産上昇の拠り所でもある「3つの柱」のうち最も重要な第一の柱、「米国の個人消費」が揺らぐ恐れがあるためです。
アジア諸国と同様、米国内の財・サービスの供給が今後滞ったり人の移動が制限されれば、米国民には恐らく初めての経験、消費者心理、個人消費への影響は未知数です。現状は「第一の柱」が折れ世界的景気後退に陥るか、あるいは底堅く堪えるかの瀬戸際と言えそうです。
■ 市場のラストリゾート(最後の担い手)は財政?
3つの柱のうち、第3の「世界的な金融緩和の持続」は先週米FRBが強化、今週はECB(欧州中銀)が追随するか注目されます。第2の柱である「中国景気」に関しては、いまや経済の反発力が注目される段階にあり、今週10日の各種経済指標で確認できるか注目しています。
緊急利下げを講じたFRBも市場のラストリゾートとならず、最後は財政の力が必要かもしれません。(徳岡)
今週の主要経済指標と政治スケジュール
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注)(日)日本、(米)米国、(欧)ユーロ圏、
(豪)オーストラリア、(中)中国、
(他)その他、を指します。
日程および内容は変更される可能性があります。
出所) 各種情報、Bloombergより当社経済調査室作成
注)MSCI WORLD、MSCI EM、S&P先進国REIT指数は米ドルベース。
原油は1バレル当たり、金は1オンス当たりの価格。
騰落幅、騰落率ともに2020年2月28日対比。
出所) MSCI、Bloombergより当社経済調査室作成
注)上記3図の直近値は2020年2月28日時点。
出所)Bloombergより当社経済調査室作成
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